石井貴

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この項目では西武ライオンズ投手の石井貴について説明しています。漫画家・映画監督の石井隆については石井隆をご覧ください。

石井貴（いしいたかし、1971年 8月25日 - ）は、プロ野球・パシフィック・リーグの西武ライオンズ所属するプロ野球選手である。ポジション投手）。背番号は21番。

気合を前面に押し出したピッチングで知られ、文化放送『文化放送ライオンズナイター』では石井を“投げる金剛力士像”と称している。

[編集] 来歴・人物

神奈川県綾瀬市出身。藤嶺学園藤沢高等学校から社会人野球の三菱重工横浜を経て1993年、ドラフト1位で西武ライオンズに入団。1997年までは中継ぎ、抑えでの登板が多かったが、1998年より先発転向しローテーションに定着した。2003年と2004年の2シーズンは右肩痛に苦しみ、それぞれシーズン1勝ずつしか挙げられなかったが、同じ2004年のプレーオフセカンドステージ第5戦で1点リードの10回裏の投手に指名されて登板し、無失点に抑えてリーグ優勝をもたらし、胴上げ投手となった。2004年の日本シリーズでは第1戦と第7戦に先発、中日打線を2戦合計13イニングを無失点に抑え、ともに勝利投手となり日本シリーズMVPに輝いた。日本シリーズでの勝利数がレギュラーシーズンの勝利数を上回った投手は史上初めてである。2005年にはFA権を取得したが、行使せずに西武残留の意思を示している。このことについて石井は、逆指名で西武に入ったのだから生涯西武を貫くという趣旨の発言を2006年にしている。

2006年は、春季キャンプで佐々木主浩からフォークボールを伝授されると、「今まで教わってきたことと全てが違っていた」と口にするほどの手応えでこの球種を見事に習得。これを武器にした新しい投球スタイルで開幕から中継ぎ（主に8回）を任されるようになり、前年までの不振から脱した。同年8月1日の対千葉ロッテ戦で1球勝利を達成。

意外にもボークが多いが、これはセットポジションの際に投球動作を完全に静止させずにボークをとられることが多かったからで、現在ではそのようなことはなくなっている。（下表を参照）

かつては150キロ超の速球を投げていたが今は145キロ前後が精一杯である。

兄・章夫は慶大時代の1986年に横浜大洋ホエールズからドラフト指名（2位）を受けたが、父親を早くに亡くしていることから入団を拒否している（その後東京ガスで捕手・監督を務めた）。

親戚に心理学者の故・小野直広（東北福祉大学教授）がいる。血縁関係は父親の姉の夫。

[編集] エピソード

テレビカメラが球場に入る際は、やたらコワモテな野球選手を演じている。キャンプを訪れたファンに対してガンを飛ばしたり、松坂大輔に対してはパシリ扱いしたり、ヤクザ映画に登場するチンピラのような怒り方をするなど、一見したら誤解されるような行動をする。また、あまり客の入っていない西武ドームで、投球と投球の間に突然叫ぶこともあり、その仏頂面が「投げる金剛力士像」という比喩の元となっている。ただし、実際にはちゃんとファンサービスに応じるなど、一見コワモテである以外は通常の野球選手と変わりは無い。
2000年まで、福岡ダイエーホークスは西武の投手陣（石井、西口文也、豊田清ら）を大の苦手としており、石井もダイエー相手に3年越しの連勝記録を更新していてダイエーをカモとしていた。この年の5月に行われた福岡ドームでの試合で、石井はマウンドに塩を撒いて気合いを入れたが、制球が定まらず立ち上がりの悪い状況であった。そこに秋山幸二が打ったピッチャー返しの打球が顔面へ直撃し、石井は倒れこみ、のた打ち回った。このときこめかみあたりから出血していたが、集まってきた選手やトレーナーからは「耳から血が出ているのではないか」と大変心配されたという。
三沢光晴ファンでもある。週刊ベースボールでの一言アンケートにて「三沢選手は強い。最近は各団体から有望な若手も沢山出てきているが、三沢選手には誰も敵わないんじゃないの?」と答えている。
狭山不動尊へ初詣に出かけたところ、その筋の人に間違えられそうになったことがある。
インタビューの際には独特の味のあるコメントを残すことが多く、ファンから『タカシ節』と呼ばれる。
清原和博には頭が上がらないのか、高級ワインと言われて小便を飲まされ、さらにはタバスコを一気のみさせられた事もある。

[編集] 略歴

身長体重：180cm 84kg
投打：右投右打
血液型：A型
出身地：神奈川県綾瀬市
球歴・入団経緯：藤嶺藤沢高 - 三菱重工横浜 - 西武ライオンズ（1994年 - ）
プロ入り年度・ドラフト順位：1993年（1位・逆指名）
FA権取得：2005年（現在も有資格者）
背番号：14（1994年 - 2001年） - 21（2002年 - ）
英語表記：ISHII
推定年俸：5000万（2006年）
守備位置：投手

[編集] プロ時代の戦歴

[編集] 通算成績（2006年シーズン終了時）

年度	チーム	登板	完投	完封	無四球	勝	負	S	勝率	打者	投球回		被安打	被本塁打	四球	死球	三振	暴投	ボーク	失点	自責点	防御率
1994	西武	3	0	0	0	0	0	0	.000	35	6	2/3	14	1	5	0	2	0	0	13	12	16.20
1995	西武	17	0	0	0	2	2	0	.500	284	67		76	5	22	1	34	1	0	30	30	4.03
1996	西武	35	0	0	0	3	6	4	.333	414	95	1/3	100	4	39	3	74	4	0	41	31	2.93
1997	西武	59	1	1	0	10	8	9	.556	443	102	1/3	113	7	35	1	68	1	2	46	41	3.61
1998	西武	30	1	0	0	9	3	0	.750	616	145		143	10	44	7	98	1	7	59	53	3.29
1999	西武	26	4	1	2	13	8	0	.619	743	178	2/3	177	16	43	1	108	4	4	62	61	3.07
2000	西武	25	2	2	0	10	7	0	.588	588	135	2/3	148	9	39	4	80	1	2	68	65	4.31
2001	西武	23	2	0	0	5	9	0	.357	402	91		96	7	39	3	42	2	0	44	38	3.76
2002	西武	22	2	0	1	8	3	0	.727	553	130	1/3	134	7	36	6	73	3	0	45	45	3.11
2003	西武	6	1	0	0	1	2	0	.333	175	40	1/3	45	4	8	3	22	0	0	20	19	4.24
2004	西武	14	0	0	0	1	5	0	.167	321	69	2/3	82	6	28	5	35	1	2	49	36	4.65
2005	西武	7	0	0	0	2	4	0	.333	134	28		42	4	11	1	8	0	1	27	25	8.04
2006	西武	46	0	0	0	4	1	0	.800	164	38	2/3	39	4	8	0	22	2	0	17	15	3.49
通算成績		313	13	4	3	68	58	13	.540	4872	1128	2/3	1209	84	357	35	666	20	18	521	471	3.76