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あぶさん - Wikipedia

あぶさん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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あぶさん』は、1973年からビッグコミックオリジナルに連載している、酒豪の強打者景浦安武(かげうら やすたけ、通称あぶさん)を主人公とする水島新司野球漫画

目次

[編集] 概要

あぶさんこと景浦安武は、1946年12月17日生まれで新潟県新潟市出身。南海ホークス藤原満ロッテオリオンズ有藤道世阪神タイガース田淵幸一広島東洋カープ山本浩二らの「史上最高の当たり年」と言われた1968年ドラフトで入団した大学卒選手のほとんどが同級生である。高校時代は二日酔いで地方予選・決勝戦に出場。酒の臭いをニンニクで隠して大ホームラン(飛距離155m以上)を放つも、ベースランニング中の嘔吐で飲酒がバレてしまい優勝は取消しとなる。その後、社会人北大阪電気に進むも試合中のプレーをめぐって監督とトラブルになり、懲戒免職。大虎でヤケ酒を飲んでいたところを南海スカウト・岩田鉄五郎が訪れ、熱心な誘いで1973年に契約金50万、年俸100万のドラフト外で南海ホークスに入団。ちなみにこの年は、東映フライヤーズが日拓ホームフライヤーズに、西鉄ライオンズが太平洋クラブライオンズになった他、2シーズン制が導入されるなど、パ・リーグに大きな変化が起こった年である。夜は、居酒屋「大虎」(後にこの店の看板娘、桂木サチ子と結婚)で一升酒を飲み、昼はバッターボックスで酒しぶきをあげる。近畿地方でのナイターの際は、試合後に大虎で一升呑んで帰宅する。現在も福岡ソフトバンクホークスの強打者として活躍している。この作品には、実在するプロ野球関係者をモデルにした人物も実名で随所に登場し、その素顔を見せてくれる。 加えて初期の作品では、スコアラー兼打撃投手の西村省一郎(故人)、通訳の市原稔(後にコーチ就任)、マネージャーの鈴木正、杉浦正胤、上田卓三、村上悦雄、更に今は亡き広報の永井正義、ビデオマンの佐野誠三など、当時の南海ホークスを支えた裏方にもスポットライトを当てており、南海球団史を知る上で貴重な資料となっている。また裏方の仕事を題材にしたことは他の漫画にはあまり例がないことも注目したい。

最初はプロ野球を舞台にヒューマニズムを追求し、昭和40年代まだ上位チームに位置づけられていた頃の南海が舞台でもあり、全体に渋いイメージの劇画であった。その一方で「酒」についてもかなり深く掘り下げられており、本来あるべき酒との付き合い方が何かについても随所で言及されている。ただ、最近は大虎の常連を中心に登場人物が無尽蔵に増え過ぎ、取り巻きのようなおかしなコミュニティを形成し、いわばホームドラマ的な面が垣間見られる。また、作風にも初期の緊張感が薄れ、年齢にかかわらずやたらとプロ野球記録の更新を達成するなど、安武が過度に偉大化してマンガチックになり過ぎる場面が見られるが、この原因として連載が非常に長期に渡っている事が作品をややアンバランスにしていることがあげられる。

安武のモデルとなった人物として、酒豪として知られた永淵洋三(近鉄バファローズ)をはじめ、「ものほし竿」の藤村富美男(阪神タイガース)や、同じ苗字の戦前の大打者景浦將(阪神タイガース)等が挙げられる。また、大きな構えは土井正博を範にしている。藤村、永淵、土井は初期作品に実名で登場する。

2005年からはダイエーからソフトバンクに親会社が変わったが、作者により安武の現役続行表明があった。さらに、以前から登場が噂されていたオーナーの孫正義が第764話(ビッグコミックオリジナル2005年4月5日号)に登場した。

単行本は現在87巻まで出ている。

主人公の通称は、非常に強いリキュール「アブサン(Absinthe)」の名前と、本名の音読みに由来する。

長期連載作品となっているが、過去に一度だけ野村克也が南海ホークスの監督を解任された時に、執筆を止めようと思ったが、思い留まったと作者は発言している。また、劇中で「南海がAクラスになった時があぶさんの引退の時」という台詞があったが、昭和50年代以降Aクラス入りは実現しなかった。更に一時期「最低、門田(門田博光)が現役でいる限り連載を続ける」と発言した事もあるが、門田が引退後も連載は続いている。

第22回(1976年度)小学館漫画賞受賞。


注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。


[編集] 主な登場人物

[編集] 景浦安武とその家族

福岡ソフトバンクホークスの外野手1946年12月17日生まれ。60歳。右投右打。シーズンによっては打撃コーチも兼任している。
1973年にドラフト外で当時の南海ホークスに入団して以来ホークス一筋30年以上になる球界最年長選手。自主トレ初日に交通事故に巻き込まれて大遅刻。入団当初は二軍暮らしで、一軍デビューとなった近鉄戦では、杉浦マネージャーの機転でコークハイをひっかけ、グリップにするめを巻いてエース鈴木啓示からポテンヒット。後期開幕後、スランプに陥り二軍に落ちる。二軍暮らしのさなか、未亡人山本麻衣子と恋に陥る。その年の日本シリーズでは粘った上に堀内恒夫にレフトフライに打ち取られ、最後の打者となる(実際は島野育夫)。その翌年、近鉄とのトレード話が持ち上がり、永淵洋三が足繁く大虎に来店し、熱心に勧誘。阪急ブレーブスの西本幸雄監督も中百舌鳥を訪れるが、結局実現しなかった。その後も張本大杉のいない打線に危機感を持った日本ハムファイターズの大沢啓二監督が、大砲が欲しいとトレードを持ちかけるが、野村監督は一蹴する。度々スタメンでの出場もあったが、酒好きの影響で複数回打席に立つ集中力が持たないという欠点もあり、なかなかレギュラーになれなかった。1975年指名打者制導入当初は、ここ一番のチャンスの切り札としてベンチに置かれた。同年暮れ、道頓堀でトラブルになった老人を助けてサラリーマン3人組をノックアウトして逮捕勾留されたが、助けた老人や目撃者の証言により正当防衛が成立した。また、同じ年のオフにファンレターをきっかけに女子高生・田中早苗との交際が始まる。
1977年ペナントレース閉幕直前、心酔する野村克也選手兼任監督の解任時は実に悩むも吹っ切れ、広瀬叔功新監督のもとでも代打の切り札、ときに先発レフトとして活躍。1979年には4打席連続本塁打のタイ記録。新記録となる5本目がかかった打席では打球を顔に当てて退場、しかし代打王天上が本塁打を放って持ち越し。復帰後第一戦となった地元・新潟で本塁打して達成されたが、その試合は雨のためにノーゲーム、持越しとなる。再度新記録のかかった打席ではロッテオリオンズ村田兆治のフォークを空振り三振、夢は潰れた。同年オフに再度トレード話が勃発。巨人長嶋茂雄監督の強い要望による。
1980年シーズン終了後、桂木サチ子と結婚。1981年、長男景虎誕生。
1983年、チームの若返り政策で戦力外通告をうけるが、30代後半とは思えない成績でテスト入団を果たす。それからは人が変わったように好成績を残し、レギュラーに定着。福岡への移転時は引退を決意するが、当時の杉浦忠監督の懇願で現役を続行する。まだ福岡ドームも無かった弱小ホークスの精神的主柱として田淵幸一根本陸夫両監督を支え、現在に至る。長い球歴の中では様々な優秀な成績を残し、代打のみでのホームラン王争い(2位)、3年連続三冠王などがある。ちなみにルーキー時に南海ホークスが優勝してから1999年の福岡ダイエーホークスの優勝まで約25年ほど不遇のホークスを支えてきた選手は彼ひとりである。現在、王貞治監督の入院を受けて選手兼ヘッドコーチを勤めている。
得意球はインハイ。背番号は90。ちなみにこの背番号は、南海時代から現在に至るまで現実の世界でも球団の配慮で欠番扱いである。また、上杉謙信のファンでもある。
  • 景浦サチ子(旧姓桂木)(かげうら さちこ)
安武の妻で居酒屋「大虎」の看板娘。生年月日不詳だが、安武の1973年南海入団時(当時26歳)に18歳であったことから(その後も24歳の時に、友人の結婚式に出たあと結婚願望が強くなり、当時32歳の安武に「考えてみたら24歳って適齢期よね」と誘いの言葉をかけている)、8才年下と考えると、1954年度生まれの可能性が高い。生まれて直ぐに母を亡くす。会った人間(老若男女・国籍問わず)が十人中十人「あぶさんの奥さん、美人ですね~」と言うほどの美人だが、気が強く、情が厚く、涙もろい。生まれた際、虎次郎は「美人(みと)」と名付けようとしたが結局サチ子という名前になった。初登場時(18歳)から安武一筋で、独身の頃は、人気カメラマンに一目ぼれされるなど、結構いろいろな男からモーションをかけられているが、全て礼節をもって断っている。安武との間には1男(景虎)1女(夏子)をもうけている。基本的に大阪弁で話すが、秋葉舞などが来た時などは標準語で話す。
  • 景浦景虎(かげうら かげとら)
安武とサチ子の長男で阪神タイガースの投手。1981年12月17日生まれ。25歳。名前は越後出身の武将、上杉謙信の幼名に由来する。誕生祝いに訪れた当時の阪神タイガース・小津社長と祖父の密約で左利きに育てられる。恵まれた体格で小中高と常に注目をあび、なにわ中学校3年生(1996年11月、当時14歳)時に父と同じ福岡ダイエーホークスから指名されるが、その時は父のアドバイスもあり入団せず、地元大阪の一番星学園高校に入学し、高校野球の全国大会で優勝するなど大活躍する。高校卒業後、父とのプレーを望み当時の福岡ダイエーホークスへの入団を熱望するが、1999年のドラフトで、抽選によって当時の大阪近鉄バファローズへ入団。鈴木啓示永久欠番、背番号「1」を与えられる。2000年に新人王を獲得。父からは放任教育だったが、プロ入り後の度重なる対戦によって打者としての父を知ることとなる。150km/hを超える剛速球と橋本武広から習ったとされる(自分で練習したという描写もある)カーブを武器に好成績をあげ、2000年平成12年に新人で初出場したオールスターでは江夏豊以来となる9連続奪三振を達成している。2004年のシーズンオフに行われたオリックス楽天の分配ドラフトでオリックス・バファローズに移籍した。2005年にはソフトバンク戦(大阪ドーム)では日本球界史上最速の163km/hの剛速球を投げた。左投左打。オリックスでの背番号は01番。2006年シーズンオフに阪神のランディ広岡とのトレードが成立。阪神タイガースに移籍した。阪神タイガースでの背番号はオリックス時代と同様に01(景虎が近鉄時代につけていた背番号1は阪神タイガースでは鳥谷敬がつけている)。父安武は「謙信の幼名からとった」としているが、正確には「景虎」は謙信の幼名ではなく、将軍足利義輝から「輝虎」の名を貰うまでの諱で、謙信の幼名は「虎千代」。上杉姓を名乗るまでの長尾景虎が正しい。基本的に大阪弁で話すがまれに標準語が混じる。明るく直情的な性格で、父親の安武は、野球人として尊敬の対象であるとともに、常に目の前に立ちふさがり、乗り越えるべき最強の好敵手でもある。
大手建設会社の令嬢秋葉舞と交際中。
  • 景浦夏子(かげうら なつこ)
安武とサチ子の長女で景虎の妹。1984年8月12日生まれ。22歳。母親に似て美人。幼少期は人参が苦手だったが好物である海苔で巻いて食べることで克服した。中学2年生の時、大阪の芸能プロダクションである、淀プロダクションにスカウトされるが、スカウトマンは、景浦安武の娘とは知らずにスカウトしている。その後、プロダクション側も景浦安武の娘だと知ることになるが、純粋に景浦夏子と言う少女の才能に惚れ込む。その後、両親も娘の芸能界入りを快く認め、モデル等で活動。高校3年生になり、東京に出てタレントになるか、そのまま淀プロに所属するか悩む事になるが、最終的には大阪に残り大学に進学しつつ、淀プロでタレントとして活動する事を決める。その後人気急上昇に伴い東京に転居することになった。
  • 桂木虎次郎(かつらぎ とらじろう)
1925年12月14日生まれ。81歳。サチ子の父で居酒屋「大虎」の店主。妻に先立たれ、男手ひとつで娘、サチ子を育て上げた。生粋のタイガースファンで、試合の勝敗によってメニューの割引が行われる。孫バカで最近は近鉄からオリックスファンに。以前は田淵幸一から送られたタイガースのユニフォームをよく着ていた。安武がテストを受けて南海に再入団した時に、自分も新たな気分になるべく店を大改装。キャバレーのような電飾看板を取り付ける。自身もサングラスにオーバーオールというナウい出で立ちになり、周りを仰天させた。現在は景虎と同じオリックスのユニフォームを着ていることが多い。
  • 景浦安造(かげうら やすぞう)
安武の実の父。魚河岸で働いていた。安武は下戸と聞いていたが、実は大酒豪で、安武誕生と共にきっぱり断酒した。1952年没。
  • 小林花子(こばやし はなこ)
安武の実の母。生年月日不詳。「女うわばみ」と異名を取り、息子である安武にも勝るとも劣らない酒豪。安造と死別後、小林満の父と再婚。連れ子の満を実子と同じ深い愛情を注いでいる。1974年夏、藤井寺球場で行われた高校軟式野球の全国大会に出場した満の応援で来阪。その夜に大虎を訪れ、安武を取り巻く温かな環境を知り、安心して夜行寝台特急つるぎに乗る。そのときは虎次郎もサチ子も、安武の実母だとは全く気が付かなかった。
  • 小林(こばやし)
花子の夫、満の実父。1923年度生まれ。下戸で温厚な紳士。勤務先は「朱鷺」を製造する酒造会社。趣味は将棋で、大山名人署名入りの駒が自慢。安武とも実の親子同様に心が通じ合っている。定年退職後は書道教室を開く。
  • 小林満(こばやし みつる)
安武の義理の弟。1958年度生まれ。1973年暮れに安武と初対面。翌年に軟式の全国大会に出場するも1回戦負け。1976年、監督以下チームメイト等の説得で軟式野球から硬式に転向、強肩強打の外野手として甲子園出場を果たす。甲子園では緒戦、最終回無死満塁のピンチにリリーフに立つも、大暴投でサヨナラ負け。しかし、その肩の地力を日本ハムファイターズの瓜生スカウトに見抜かれ、投手としてドラフト4位で入団。ちなみにノンプロ新潟水産に就職が内定していた。1977年のオープン戦、安武との初対決では死球を与える。南海の野村選手兼任監督(当時)は「越後の新米」と絶妙のあだ名をつける。同年は二軍で鍛え、一軍デビューは翌1978年、安武を三振に討ち取り、大沢監督は「これぞ火の玉投手でぇ!」と誇らしげに哄笑する。翌1979年、近鉄戦でサヨナラ負けを喫するが、対戦した佐々木恭介も栗橋もバットを折られた挙句の苦し紛れのスリーバントだった。1981年、俵星外野手とのトレードで南海ホークスにやって来る。1981年、阪急戦に松本幸行と投げ合い、1-0で勝利。その試合で山田和子にほのかな恋心が芽生えた。プロ7年目の1983年、キャンプ途中で肩を痛め、野手に転向。当初は荒れ狂うも、必死のリハビリと努力の末、義兄・安武とともに打者として活躍する。プロ11年目の1987年、ヤクルトスワローズに移籍。1989年には倉田洋子と結婚(後に西武への金銭トレードの際に離婚するが、その後復縁する)。ホークスでの打者転向以来、スワローズ、ライオンズと、主に代打として活躍してきたが、西武ライオンズ時代の1995年、プロ19年目・37歳で、オリックスのイチロー(現・シアトル・マリナーズ)と同率首位打者に輝き、かなりの遠回り・遅咲きではあるがレギュラーを獲得する。その後、福岡ダイエーホークスでまた兄弟いっしょにプレーし、一時は引退を決意するが、当時の阪神タイガース野村克也監督の誘いで捕手として入団→大阪近鉄バファローズでは甥の景虎とバッテリーを組んだ。2002年に現役引退。引退後はオリックス・ブルーウェーブにコーチとして入団。現在はオリックス・バファローズ(2005年から球団合併による名称変更)でコーチを勤めている。投手(1977年~1982年)としての6年間は、素質の割にはさほど華々しい実績はなく、打者転向後(1983年~2002年)も、前半の10年近く控えの外野手・代打として数球団を渡り歩きながら、後年は遅咲きのレギュラーを獲得したり、最晩年は捕手に転向して甥の景虎とバッテリーを組むなど、苦労しながらもコツコツと野球を続けて、のべ7球団、合計27年間の現役生活を勤め上げた。

[編集] 大虎周辺の人々

  • 春野和子(はるの かずこ)
旧姓山田。通称「カコ」。1966年9月2日生まれ。40歳。安武が独身時代に住んでいたアパートの隣室に住む小学生として登場。父はおらず母子2人で暮らしていた。幼少時は安武の婚約者を自認し、サチ子にライバル意識を燃やす。ことあるごとに「やすたけェ!」と絶叫していたが現在では安武のことを「あぶさん」と呼んでいる。その後も父、兄として慕ってきた。普段留守がちな安武の部屋を自室としてつかい、猛勉強の末に大阪大学法学部に合格。司法試験にも合格し弁護士として活躍中。現在はは結婚し長男「安武」を出産。
  • 大山哲矢(おおやま てつや)
和子の幼馴染。近畿大学からNTT西日本で活躍後、高校野球の監督となり、景虎を指導する。
  • 羽田恭介(はた きょうすけ)
和子、哲矢を中学1年のときに担任した新米の国語教師。教育熱心な生徒思いだが、こと野球となると人が変わるほどの強烈な近鉄ファン。名前は当時近鉄の選手であった羽田と佐々木から。特徴的な牛顔。
  • 枡幸久太郎(ますこう きゅうたろう)
大虎の常連。1976年のシーズン中に安武が偶然訪れた酒屋「枡幸」の御曹司。通称「ボン」。たまたま持ち合わせが無かった安武に「これを呑んだら許したる」と、めちゃくちゃなカクテルを作って強引に飲ませる。その日の日本ハム戦でふらつく体で代打に立ち、高橋一三のインコースがかすってサヨナラ死球となる。以来、大虎の常連になる。
  • 山田屋
大虎の常連。名は不明。弁当屋経営?(時々、「べんとう山田屋」と書かれた車が登場する)。阪神タイガースの力道玄馬(架空の人物)によく似た風貌をしている。チームでは阪急ブレーブスの大ファンだったが、オリックスブレーブス誕生と同時にホークスのファンになった。
  • 鬼山
会社の2代目、草野球のエース。阪神の入団テストに落ちて大虎に来店。安武が南海の選手であることを信じようとせず、「蔭山に杉浦を合わせたんか?」などとからかい、散々からんだ挙句の果てに「月給泥棒」と捨て台詞をはいて勘定し、大虎を出入り禁止になる。翌日、草野球をしていたところを安武が訪れ、「俺は一斗を超えない限りはしらふだ。」と打席に立ち、とてつもない本塁打(飛距離200m以上)を放つ。呆然とする鬼山に安武は「一度中百舌鳥に来てみな。そしたら二度と口にはできねぇぜ。月給泥棒などとはな。」と言い残して去る。その後姿を呆然と見送る鬼山は思わず「酒仙打者」とつぶやく。以後登場せず。

[編集] 安武の女性関係

  • 山本麻衣子(やまもと まいこ)
関西を牛耳る大財閥の御曹司の未亡人。夫を事故で亡くしたが、その責任を負わされた挙句に一人息子の智を夫の両親に取られて発狂。大阪球場のシーズンシートに観戦に来ては死んだ夫と会話していた。やがて安武と出会い、男女の関係になると同時に正気に戻る。しかし、ふと智そっくりの少年を見て、安武と別れて舅や智の待つ家に戻る。翌年、高熱を出して寝込んだ智の為に是非ホームランをと安武に懇願。翌日のロッテ戦、安武は敬遠のところを空振り、予告ホームランなどで金田留広を挑発、見事ホームランを放つ。ちなみにレフトを指差したものの、実際はライトのポールに当たる。1978年、姑、智と共に東京に転居。
  • 山本勘介(やまもと かんすけ)
麻衣子の舅で関西財界のドン。交通事故で息子が事故死したのを麻衣子の責任として放逐するも、安武の説得で和解。その後、詐欺で企業乗っ取りに遭いかけたサンボアを救い、借りを返す。1978年没。刃と書かれた盃を安武に遺す。
  • 田中早苗(たなか さなえ)
1957年生まれ。東大目指して受験勉強の傍ら、安武を応援する。目を病んで書いたファンレターを受け取った安武はてっきり幼児と思い込み、サチ子の指導でそのような返事を書いてしまう。その後見舞いに訪れて驚いているところにその返事が届き、早苗と母の強い要望でそれを読む羽目になる。その勇気に感動した早苗は志望校を東大から阪大に切り替え、見事医学部に合格。その後も交際が続く。ある日、部屋を訪れたときにサチ子と鉢合わせ。その後距離を置く。結婚して景虎が生まれた翌年、目の異常を感じた安武が受診した病院で再会する。診断して治療した上できっぱり諦めます、と宣言し、検査に付きっ切りで立会い、飛蚊症と診断。その後福岡へ転居。
  • 財津珠代(ざいつ たまよ)
テレビ局の女子アナウンサー。カコの大学の友人として登場。実家は大分の名家。安武に一目ぼれし、彼を追って福岡のテレビ局へ入社。実家には既婚者である安武を婚約者として連れて行き、父親も安武を大いに気に入る。夢は安武の子種をもらうことだったらしい。安武のマンションによく出入りし、ワカの介護(?)をしている。
  • 武藤ワカ(むとう わか)
女流小説家。1889年7月24日生まれ。現在満年齢で117歳、数え年で119歳。自宅は代々続く酒造所で、息子夫婦が安武に福岡遠征のおりに日本酒を差し入れていたことが縁で出会う。息子に酒造所を任せたころから作家業を開始。見事100歳のときに「新人作家賞」を受賞し注目をあびる。恋愛小説が多く、安武に惚れている。普段は福岡にある安武のマンションを書斎につかっている。一時期、死の淵をさ迷ったことがある。
  • サチコ(さちこ)
ミナミのスナックのホステス。ルーキー時代にラッキーなヒットを打った安武が、佐藤道郎、大伴と訪れた。その際に他のホステスから相手にされない安武にサインを依頼、しかし慣れない為に景の字を日京みたいに書いてしまうなどおかしなものになる。しかし、安武が去った後に別の客が「やつは必ず大打者になる。売ってくれ」と懇願。他のホステスの白い目をよそにサインを売る。その翌日にもラッキーなヒットを打ち、佐藤道が同じスナックに招待。いつしかジンクスとなっていく。しかし、淡い恋心を抱いたサチコがサインを抱いてしまった翌日はジャストミートした打球が野手の正面を突き、安武の足も遠のき、2年後に同じ店を訪れた際にはサチコも退店していた。その後、落ちぶれた境遇で安武に再会する。
  • 山中奈保美(やまなか なほみ)
女子プロボウラー。交通事故に遭い、安武の乗ったタクシーで病院に搬送される。その際に今で言うポロリ状態になる。その後暫く安武はその煩悩に悩まされることになる。
  • 香奈香
演歌歌手。伸び悩んでいた1979年のある日、ホテルの入り口で安武と偶然相合傘になったところをスクープされる。これは、大虎をしばしば訪れていた作曲家の仕組んだ演出だった。後にその作曲家は安武と酒をイメージした新曲を発表、記者会見でそのことを明らかにする。その新曲は大ヒット。香はカムバックを果たす。
  • ミヨ子
安武の高校時代の同級生。ファーストキスの相手。それがもとで安武は番長にぼこぼこにされる。一学期途中で転校するが、お別れにホームランを打つと宣言。一打席目でホームランを放つもミヨ子は間に合わず、試合場に駆けつけたときには安武はいいところなし。でも、「あいつが一回に打ったホームランはまぐれかよ。」という一言で安武が約束を果たしたと知り、置手紙を残して去る。1974年オフに郷里・新潟で再会したが、そのとき既に婚約していた。
  • 秋葉舞(あきば まい)
大手建設会社「秋葉建設」の社長、秋葉連太朗の孫娘。景虎の婚約者。虎次郎特製の煮込みが好物。基本的に丁寧な語調で話すが大阪弁も使えるため大虎の常連客ともあっという間になじんだ。

[編集] 野球選手・ファン・関係者

  • 大伴旭(おおとも あきら)
1973年のドラフト1位で南海ホークスに入団したスラッガー内野手。一時は安武の在籍した北大阪電機への就職が内定していたが、岩田スカウトの辛口の説得で入団。ナイターで目を傷め、シーズン半ばで現役を断念、引退した。プレーオフ前に大虎に現れ、麻衣子との別れで悩む安武と再会。踏ん切りのついた晴れ晴れとした笑顔で店を後にする。背番号は26。
  • 荻野征男(おぎの まさお)
元南海の外野手。1943年度生まれ。長年二軍暮らしだったが、安武が二軍に落ちて間もなく一軍入り。一軍入りの夜、妻が交通事故に遭ったが、安武の輸血で助かる。1973年のシーズン限りで戦力外となり、引退試合となった故郷での大洋ホエールズとのオープン戦では野村の配慮で江本が先発、9回表にレフトの守りにつき、ファンに強肩を披露する。引退後は故郷で父親の「日本一まずい」ラーメン店を後継。現役時代に打った二本のホームランボールを漬けた「二球酒」を秘蔵する。子沢山。背番号は80。
  • 大松五郎(だいまつ ごろう)
ノンプロ新潟水産の捕手。伊達の仲介で安武を紹介され、南海ホークスの入団テストを受ける。最後まで残ったものの、かつて傷めた肩をかばって大きくテークバックするスローイングを野村監督に見抜かれ、不合格。その後はノンプロで野球を楽しむ。
  • 伊達(だて)
白新高校野球部以来、安武の親友。新潟でクラブ『サンボア(聖なる盃)』を経営。詐欺に遭って窮地に立つも、安武に救われる。
  • 住吉権造(すみよし けんぞう)
大阪球場名物のアンチ南海ファン。年配の男だが、よく通る声で鋭い野次を連発し、選手はあたふた、杉浦マネージャーの怒りを買う。あるときやくざに絡まれていたところを安武に助けられる。お礼に訪れたときに安武に助けられたと知って狼狽。しかし、やじり過ぎてつぶれた声が、安武からからかわれているうちに復活してしまう。その後もしばし登場。1998年、大阪球場閉鎖前日には安武と再会し、大の南海ファンであることがばれ、その後大虎で酒を飲む。野村克也の著書によれば、この人物のモデルは実在したらしい。
  • 俵星玄之介(たわらぼし げんのすけ)
1979年(昭和54年)、誤解が誤解を生んで入団した外野手。広瀬監督(当時)は代表の、代表は広瀬監督の紹介と思い込んでいた。デビューは横浜大洋ホエールズとのオープン戦で斉藤明雄から三振。1980年暮れ、小林満とのトレードで日本ハムに移籍。以後の消息不明。
  • 大楽太陽(だいらく たいよう)
ロッテの景浦専用ワンポイント投手。1973年、安武と同期で同じくドラフト外から近鉄に入団した縁があり、何かと景浦をライバル視していた。腱鞘炎を患ったため二軍に低迷し、1984年に一度は引退を決意するが、二軍戦で安武の物干し竿をへし折ったことで自信を得、ロッテに売り込み入団した。同年最終戦まで本塁打王を争っていた景浦の最後の壁となり、落合博満(当時ロッテ)の三冠王獲得をサポートした。安武との対戦成績が100打数20安打(打率2割)になった時点で引退を決意している(が、その後の対戦も示唆した終わり方をしているので通算成績は不明)。
  • ランディ広岡(らんでぃ ひろおか)
2006年オフ、景浦景虎との緊急トレードで、阪神タイガースからオリックスバファローズへ入団。近年では珍しい主砲とエースの大型トレードとして新聞の一面を賑わした。本作品での2004~2006年の阪神の4番打者は現実と同じく金本知憲であり、とするとランディの打順は3番か5番かと推測されるが、国籍も含め経歴や成績は一切不明である。2007年のオープン戦では、阪神の安藤優也から本塁打を放っている。

[編集] 安武が旅先で出逢った人たち

  • 田沼(たぬま)
1974年、富山へのオープン戦の移動に遅刻し、一人チームを追った安武が急行列車で乗り合わせた薬の行商人。酒を表す「県醒め」、「村醒め」、「軒醒め」という言葉を教わる。その夜、安武が呑んでいると悪酔いして暴れる高校生風の男と生花の師匠とのトラブルに遭遇。暴れていたのは田沼の長男・一郎で、受験に失敗して荒れていたもの。一郎は翌年に見事合格。一郎が大学に受かるまで酒断ちをしていた田沼は、一郎と安武と3人水入らずの祝杯を挙げ、心から楽しいひと時を過ごす。翌日、一郎が起こしに行ったところ、幸せそうな顔で死んでいた。
  • 田沼一郎(たぬま いちろう)
田沼の長男。元々は高校球児で、南海ホークスからドラフトで指名された程だったが、母の死をきっかけに進路を転換。一浪したものの東京の大学の薬学部に合格。父に内緒で安武に手紙を出して合格を知らせる。祝宴の翌日父親が死んだ際、酒断ちをしていた父親に酒を飲ませたことを悔やむ。安武は「俺が息子だったら一生悔やむだろう。しかし、俺が親だったらこんなに嬉しいことはない。」と慰める。
  • 鈴木
熱心な日本酒のコレクターで、日本酒の銘柄の9割は取り揃えたという居酒屋「酒の店」を経営。娘の交際をめぐってこじれていたのを安武に仲裁されてから昵懇の仲になり、のちにやはり安武のおかげで別れた妻と復縁を果たした。北海道で事故死した長女がおり、彼女を祀った地蔵を建立、この地蔵が北海道遠征中の安武の命を救うという奇縁もあった。2000年の日本シリーズ後、安武と王貞治長嶋茂雄の3人が来店した時には、感激のあまり店を貸切にしてしまった。現在では安武の東京遠征時における大虎的な場所になっている。

[編集] 実在人物

その他実在の人物が多数登場する。現在ならば実名のプロ野球選手を作中で登場させる場合、肖像権やプライバシーの事などが問題視されるが、連載開始当初はそのような条項も緩く、許されてきた。パ・リーグを題材にした漫画がほとんどなかったため、球団側から「自分の球団の選手をドンドン出してほしい」という依頼もあったほどである(パ・リーグの選手は、この作品に登場して初めて一人前の選手だと認められた、とも言われている。また入団時に景浦から三振を取ると言った新人投手も)。現在でも特に選手等から苦情をうけることはなく、むしろ作中に登場できるように励む選手もいるくらいで、金村義明はどうしても作品の中に出してもらいたくて、自分でストーリーを作って水島の元に持ち込んでいる。

作者が連載をやめようとしたが、思い留まった事(上記「概要」参照)を上田利治に話した所「それが良い、あぶはパ・リーグの宝だから」と言われている。

田淵幸一がダイエーホークスの監督になったとき、選手名簿を見て「景浦はどうした?」と言ったという冗談話があった。

登場の多かった実在人物としてはまず、野村克也以降のホークスの歴代監督。野村とはホークス監督を解任されたのちのロッテ西武の捕手として、さらにヤクルト楽天の監督として対戦するエピソードもあった。特に野村の移籍後最初の対決では、安武は野村の教えを守ったかたちで1点差に迫る長打を放ち、3塁ベース上で思わず落涙する。その後も随所で登場しては、作者や安武の野球観と合致する、あるいは大きく影響を与えるような至言、名言を口にするなど、チームは離れても思いを同じくするかのような表現がされている。

その野村と行動を共にすることが多かった名打撃コーチ・高畠導宏(康真、故人)も貴重なバイプレイヤーであった。1974年の打撃コーチ就任後、野村の判断を助ける発言を数多くしている。後にホークスに復帰した後教職に転じ、ここでも指導者として手腕を発揮した。

南海時代の選手では島野育夫藤原満佐藤道郎江本孟紀門田博光片平晋作、大塚徹、山本雅夫、山本和範といった選手たちの登場機会が多かった。佐藤や門田は酒豪であり、安武のよきのんべ友達であった。同期の藤原はある意味で安武の親友のような設定もなされている。大塚は初期の作品でしばし登場、その豪快な風貌、台詞は存在感十分であった。また、名二塁手の桜井輝秀、代打で登場した外山義明も飲み仲間としてしばし登場した。特に外山はそのひょうきんな人柄から一見三枚目風ながらも極めて親交が深い人物として描かれていた。また、近鉄、オリックスの監督を歴任した仰木彬(故人)も安武と共に酒を飲むことが多く、インボイスSEIBUドームで行われたオールスター戦後、「酒の店」にて共に酒を飲むこともあり、仰木が日本各地の酒を見て感激した話も描かれた。2006年のシーズン、安武はそのことを思い出しながら福岡Yahoo!JAPANドームで行われた対オリックス戦にて打席に立ったこともある。「ドカベン」こと香川伸行もコメディリリーフ的な役回りも多かったが、ホークス入団から引退まで主役待遇のエピソードもよく描かれた。連載開始後3年で阪神に移籍した江本孟紀、彼とのトレードでやってきた江夏豊もしばし登場。江本は移籍後に1977年(昭和52年)の球宴で顔を合わせ、対戦もする。江夏は初登場の際に二日酔いで登場するが、現実は下戸である。

ダイエー譲渡(福岡移転)以降では、安武とAK砲と呼ばれた秋山幸二、のちには巨人の投手として日本シリーズで対戦することにもなる工藤公康らの西武からの移籍組や、オールスターで息子の景虎とバッテリーを組んだこともある城島健司らの活躍が目だった。小久保裕紀は安武と本塁打王を争うことのできた希有なバッターの一人である。

他球団の監督としては、阪急や近鉄を率いた西本幸雄が初期の名わき役だった。オールスターや日米野球で安武を采配するエピソードもあった。近鉄監督を勇退する際に描かれた、東西対抗戦で安武も含むパを代表する名選手たちに胴上げされる逸話は、勇退前の最終戦で近鉄と阪急の双方の選手から胴上げされた実話に基づいている。

日本ハム大沢啓二(南海OBである)監督もしばしば登場し、漫画の中でもべらんめぇ調の台詞を連発する。小林満の日本ハムドラフト指名も、大沢監督だからこそ実現したと考えられる。また、ロッテ金田正一監督も頻繁に登場し、当時人気があった「カネやんダンス」も作品内で披露している。大沢監督も金田監督もパ・リーグを盛り上げようと真摯に努力していた人物であり、本作品でも侠気(おとこげ)のあるキャラクターとして好意的に描かれている。

こうしたパ・リーグの監督たちと比べると登場回数はさすがに少ないが、長嶋茂雄も本作の重要なターニングポイントで登場しては「いわゆるひとつの」調の「長嶋語」をさらに水島流に改変したような名台詞を数々発して、強烈な印象を残している。なんといっても大虎で「失敗は成功のマザー!」と叫ぶ姿は秀逸。また、意外なところでは広島・大洋の古葉竹識監督も安武の理解者として稀に登場するが、実は1973年(昭和48年)の時点で古葉は南海のコーチを勤めており、要するに1年だけだが安武と接点があるのである。

他球団では日本ハムのコーチ、選手が目立つ。1976年~79年にピッチングコーチを務め満を育て上げた南海OBの新山彰忠(1975・1980年の南海コーチ時代にも登場)、南海から移籍して主軸打者として活躍した柏原純一、エースの高橋直樹、更に中堅どころの大宮龍男高代延博島田誠木田勇などがしばし登場する。高橋直はオールスターのホームラン競争で、20球全部インコースに投げられるコントロールのよさを買った安武がバッティング投手に指名、「直が景浦に打ち込まれる光景は、たとえ冗談でも見たくない。」と大沢が狼狽する姿もあった。1980年のパ・リーグの投手部門のタイトルを独占した木田は安武が苦手としていた投手の一人だったが、翌年は安武に打たれる。

また、初期の作品では近鉄バファローズの選手がしばし登場した。前述の永淵、後述の主砲・土井正博の他、当時頭角を現しつつあった大田幸司、ジャンボの愛称で人気のあった仲根政裕などが目立つ。エースの鈴木啓示もしばし登場するものの、あまり目立った登場の仕方はしていない。

他球団の投手で安武との対戦が多かったのは阪急ブレーブス山田久志、ロッテの村田兆治太平洋-西武東尾修。代打屋時代の安武における最大のライバルは阪急の高井保弘落合博満とは、本塁打王三冠王をめぐる好勝負が描かれた。また、西武ライオンズ松沼博久も登場が多かった。しかし、大抵は安武をはじめとする南海に打たれるケースが多かった。また、リーグは異なるものの、中日時代の大島康徳も代打男として登場し、料亭で対談した。なお、その際の電話が混線し、たまたま同じ料亭でコーチ会議を開いていたロッテの金田監督が水谷則博に先発を告げた電話を傍受してしまう(「テレホン・スチール」)。後述のように平成に入ってから外国人選手の登場回数は激減するのだが、それ以前には日本ハムのミッチェル、近鉄のラルフ・ブライアントも、安武と本塁打の本数や飛距離をはげしく争った好敵手である。ミッチェルは1978年(昭和53年)の秋季キャンプ中の安武を訪れて対決を迫ったが、本数では勝ったものの負けを認め、その夜は大虎を訪れて歓談した。

グラウンドを離れたところでは、同郷である阪急の今井雄太郎も実によく登場した。現実の今井も酒好きで多くのエピソードがあるためか、作中では安武の親友として設定されている。また、福本豊加藤秀司も同様に、しばし登場して安武と軽妙な掛け合いを見せる。どれも一見三枚目風であるが、これは逆に安武(もしくは作者)との親しさの裏返しでもあり、このことは前述の佐藤道郎や外山、木田、山本和の容姿、言動の表現についてもみられる。加藤は後に南海に移籍、今井もダイエーに移籍して安武のチームメイトとなる。また、広島の小林幹英も同郷の選手として幾度か登場した。

安武を語る上で忘るべからざる存在が、土井正博である。近鉄時代、そして太平洋クラブ・西武時代を通じて数回登場している。土井と、同じ年に引退した同い年の佐々木宏一郎(近鉄→南海)が、引退後の12月14日に大虎を訪れ安武と歓談中に、安武のバッティングフォームの師匠が土井であると明らかにされている。なお、その際に土井は安武の構えの微妙な変化(いつしかバットが寝ていた)を発見し、「来年からは広角打法をやる気だろ。」と指摘、安武が「さすがは俺の師匠、土井さんだ」と感謝しながらバットの傾斜を修正した。そこへ花束を手にサチ子が戻るが、花を渡した直後に産気づき、佐々木の運転する車で病院に駆けつける一幕があった。なお、実際の出産は12月17日である。

画家の中島潔も『大虎』の常連として登場している。 また、女優の吉永小百合が物語中主人公の安武に花束を贈った話もある。

音楽関係では、安武が出産間近いサチ子を伴い、水島新司と容貌が酷似している小室等のライブに訪れている。お笑いでは、結婚前のデートでなんば花月を訪れた際に、コメディNo.1坂田利夫前田五郎)が登場している。

[編集] 現実世界とのリンク

「あぶさん」の世界は現実のプロ野球の流れと関連しているため、その時々のプロ野球の出来事と比較しながら読む楽しみ方もある。現実の選手が登場したり、現実のペナントの結果によって漫画の展開も変わる。ただし、作者の好みと肖像権の問題もあり、初期の作品を除いて外国人選手はほとんど出てこない。特に1979年(昭和54年)の日米野球でのピート・ローズやフォスターとのやり取り、そして安武の「お前らのツバの方が俺は気に入らない」というつぶやきに、水島の考えがよく現れている。

ところが、2004年からパ・リーグで導入されたプレーオフによって、漫画と現実に食い違いが見られるようになった。これはプレーオフでリーグ優勝が決定するより早く漫画の原稿をあげなければならないという時間的な制約によるためである。2004年、作者はリーグ1位であったダイエーがプレーオフを勝ってリーグ優勝を決めたと漫画に描いた。しかし、現実の結果は西武の勝利。作者は何事もなかったかのようにダイエー対中日の日本シリーズを掲載。紙上の展開に一区切りが付いたところで、今までの日本シリーズは安武の妻・サチ子の夢だったという展開(つまりは夢オチ)を見せた。

翌2005年も、再びリーグ1位通過をした福岡ソフトバンクホークスがプレーオフを勝ち抜いてリーグ優勝と描いたが、結果は千葉ロッテマリーンズの勝利。作中では福岡ソフトバンクホークス対阪神タイガースの日本シリーズが行なわれる。2度目は安武の長男、景虎の夢としている。

  • 本来漫画である以上、現実とは多かれ少なかれズレがあるのは当然である。上記のように現実の野球とのズレが面白いネタとして受け取られるのも、これまで作者が誠実に野球を描いてきたことによって生まれた「あぶさん」という作品のもつ魅力の証明である。

[編集] 関連項目

レフトスタンド側に長年あぶさんの画が広告看板と一緒に掲げられており、懸賞金がかけられていた
コーチ就任時、背番号90を希望するものの、水島から「これはあぶさんの背番号だから」と断られた逸話がある。

[編集] 外部リンク

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