メキシコシティオリンピック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メキシコシティオリンピック | |
---|---|
Mexico1968.jpg |
|
開催都市 | メキシコ・メキシコシティ |
参加国・地域数 | 112 |
参加人数 | 5498(男:4750、女:780) |
競技種目数 | 18競技172種目 |
開会式 | 1968年10月12日 |
閉会式 | 1968年10月27日 |
開会宣言 | グスタボ・ディアス・オルダス |
選手宣誓 | パブロ・ガリード |
最終聖火ランナー | エンリケタ・バシリオ・デ・ソテロ |
主競技場 | エスタディオ・オリンピコ |
第19回メキシコシティオリンピック(Games of the XIX Olympiad Mexico 1968)は、1968年10月12日から10月27日まで、メキシコのメキシコシティで行われた夏季オリンピックである。
目次 |
[編集] ハイライト
- 海抜2240メートルに位置するメキシコシティで開催された。
- オリンピックの開会式では前回開催地の美濃部亮吉東京都知事が出席し、オリンピック旗をメキシコ市長に引継。
- 聖火リレーの最終ランナーはエンリケタ・バシリオ・デ・ソテロが務めた為、史上初の女性の最終ランナーに。
- 東ドイツと西ドイツが初めて統一チームを組まずに参加。同じく分断国家である北朝鮮は名称問題が解決せずに不参加となった。
- 三段跳びでは、三人の選手が世界記録を五度塗り替えた。
- 走り高跳びのディック・フォスベリーが背面跳び(Fosbury flop)で金メダルを獲得。これを機に世界中で普及した。
- 陸上競技男子200メートル走の表彰式上、アメリカ合衆国の黒人選手トミー・スミス(金)とジョン・カルロス(銅)がブラックパワーの象徴である黒手袋を掲げた。罰としてIOCは、両者を永久追放処分に。
- チェコスロバキアのベラ・チャスラフスカが4つの金メダルを獲得。
- アメリカ合衆国のデビー・マイヤーが競泳競技初の個人3種目制覇。(200、400、800メートル自由形)
- ドーピング検査採用後、違反者第1号は近代五種競技に出場したスウェーデンのハンス=グンナー・リリエンヴァルであった。
- マラソンでは、君原健二が2位。3連覇を狙ったアベベは棄権。タンザニアのジョン・スティーブン・アクワリが膝を脱臼しながらも最下位で完走したことで国際的有名人となった。
- 後にIOC会長となるベルギーのジャック・ロゲはヨット競技のフィン級に初出場。
- ボクシングにおいて、森岡栄治が日本人史上3人目のメダル(銅メダル)を獲得。
- サッカーにおいて、日本が銅メダルを獲得。アジア勢初同種目でのメダル。
- 体操では、日本が男子団体で3連覇したほか男子床運動での表彰台独占をはじめ個人種目も席巻。
[編集] 南アフリカ参加問題
開催に先立ち1968年2月2日にIOC総会において、当時アパルトヘイト政策をおこなっていた南アフリカの参加を認める決議が行われた。これに抗議してアフリカ諸国26カ国が出場ボイコットを発表。これにソビエト連邦、共産圏諸国も同調し、合計で55カ国がボイコットを表明した。これを受けて同年4月21日に決議を変更し南アフリカの参加を認めないこととし、ボイコットは回避された。
[編集] 実施競技
[編集] 各国・地域のメダル獲得数
メキシコシティオリンピック 国・地域別メダル受賞数 (最終成績) |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|
位 | 国・地域 | 金 | 銀 | 銅 | 計 | |
1 | アメリカ合衆国 | 45 | 28 | 34 | 107 | |
2 | ソビエト連邦 | 29 | 32 | 30 | 91 | |
3 | 日本 | 11 | 7 | 7 | 25 | |
4 | ハンガリー | 10 | 10 | 12 | 32 | |
5 | 東ドイツ | 9 | 9 | 7 | 25 | |
6 | フランス | 7 | 3 | 5 | 15 | |
7 | チェコスロバキア | 7 | 2 | 4 | 13 | |
8 | 西ドイツ | 5 | 11 | 10 | 26 | |
9 | オーストラリア | 5 | 7 | 5 | 17 | |
10 | イギリス | 5 | 5 | 3 | 13 | |
15 | メキシコ | 3 | 3 | 3 | 9 | |
174 | 170 | 183 | 527 | |||
詳細はこちらを参照。 |
[編集] 主なメダリスト
- 日本人選手についてはメキシコシティオリンピック日本選手団を参照
- 金メダル
- ジム・ハインズ(アメリカ、陸上競技男子100m)
- トミー・スミス(アメリカ、陸上競技男子200m)
- リー・エバンス(アメリカ、陸上競技男子400m)
- アメリカ(陸上競技男子4×400mリレー)
- モハメド・ガムーディ (チュニジア、陸上競技男子5000m)
- ボブ・ビーモン(アメリカ、陸上競技男子走り幅跳び)
- ディック・フォスベリー(アメリカ、陸上競技男子走り高跳び)
- アル・オーター(アメリカ、陸上競技男子円盤投げ)
- ワイオミア・タイアス(アメリカ、陸上競技女子100m)
- イレーナ・シェビンスカ(ポーランド、陸上競技女子200m)
- アメリカ(陸上競技女子4×100mリレー)
- マイケル・ジェイ・バートン(アメリカ、競泳男子400m自由形)
- マイケル・ジェイ・バートン(アメリカ、競泳男子1500m自由形)
- アメリカ(競泳男子4×100mリレー)
- アメリカ(競泳男子4×200mリレー)
- デビー・メイヤー(アメリカ、競泳女子200m自由形)
- デビー・メイヤー(アメリカ、競泳女子400m自由形)
- デビー・メイヤー(アメリカ、競泳女子800m自由形)
- クラウス・ディビアシ(イタリア、飛び込み男子10m高飛び込み)
- ベラ・チャスラフスカ(チェコスロバキア、体操女子個人総合)
- ベラ・チャスラフスカ(チェコスロバキア、体操女子種目別ゆか)
- ベラ・チャスラフスカ(チェコスロバキア、体操女子種目別段違い平行棒)
- ベラ・チャスラフスカ(チェコスロバキア、体操女子種目別跳馬)
- リゼロット・リンゼンホッフ(西ドイツ、馬術馬場馬術個人)
- 西ドイツ(馬術馬場馬術団体)
- ハンガリー(近代五種競技男子団体)
- 銀メダル
- 銅メダル
- ジョン・カルロス(アメリカ、陸上競技男子200m)
- モハメド・ガムーディ (チュニジア、陸上競技男子10000m)
- イレーナ・シェビンスカ(ポーランド、陸上競技女子100m)
- マーク・スピッツ(アメリカ、競泳男子100m自由形)
- 森岡栄治(ボクシング、バンタム級)
- ライナー・クリンケ(西ドイツ、馬術馬場馬術個人)
- 西ドイツ(馬術障害飛越団体)
[編集] 日本人メダリスト
- 金メダル
- 銀メダル
- 銅メダル
[編集] 関連曲
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
|
|||||
---|---|---|---|---|---|
オリンピック競技 • メダル獲得数 • NOCコード メダリスト • シンボル |
|||||
夏季オリンピック:1896, 1900, 1904, 1906¹, 1908, 1912, (1916)², 1920, 1924, 1928, 1932, 1936, (1940)², (1944)², 1948, 1952, 1956, 1960, 1964, 1968, 1972, 1976, 1980, 1984, 1988, 1992, 1996, 2000, 2004, 2008, 2012, 2016, 2020 | |||||
冬季オリンピック:1924, 1928, 1932, 1936, (1940)², (1944)², 1948, 1952, 1956, 1960, 1964, 1968, 1972, 1976, 1980, 1984, 1988, 1992, 1994, 1998, 2002, 2006, 2010, 2014, 2018 | |||||
¹IOC非公認大会 ²戦争のため中止 |