日野市
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日野市(ひのし)は、東京都の島嶼部を除く地域のほぼ中央に位置し、東京駅から中央線特別快速電車で45分ほど、新宿駅からは中央線特別快速あるいは京王線特急で30分ほどのところにある市である。甲州街道の宿場町として繁栄し、新選組の副長として活躍した土方歳三や六番組隊長の井上源三郎の出身地として知られる。
目次 |
[編集] 地理
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[編集] 地勢
東京都の島嶼部を除く地域のほぼ中央に位置し、市域の西側に広がる日野台地は関東ローム層の堆積した土地で、西隣の八王子市へと続いている。北から東にかけては 隣接する昭島、立川、国立、府中市の各市との境界を多摩川が流れ、市域の南部に広がる多摩丘陵の北側を西から流れてきた浅川と南東部で合流している。市域はイヌの横顔の形をしており、西を向いている犬の耳から後頭部そして首にあたる部分を多摩川が流れ、南部に広がる多摩丘陵の北側を西から流れてきた浅川と南東部で合流している。このことからも分かるように水に恵まれており、稲作が盛んで「多摩の穀倉」と言われていた。
多摩川と浅川に挟まれていることで用水路が多く、そして礫層を基盤とする台地や丘陵を抱えていることで湧水が多い。そのような特徴を生かした街づくりを進めていることが評価されて国土交通省選定の水の郷百選にも選ばれている。主な用水路は多摩川から取水している日野用水、浅川から取水している豊田用水、平山用水と向島用水である。これらの用水の役割は市街化により水田が減って行く中で農業用水としては薄れつつある。しかし、水環境の保全ということで都市に潤いを与えるものとしての価値は高まってきている。親水公園やビオトープとして再整備が進められてきた。
西部は関東ローム層に覆われた台地で日野台地と称され、西隣の八王子市に続いている。ここはかつては桑畑が広がっていたが、昭和10年ごろからいわゆる「日野五社」を始めとする大企業の工場の進出が相次ぎ、大手トラックメーカー日野自動車の本社および工場もここにある。さらに昭和30年代からは宅地としての開発が進んだ。特に昭和33年(1958年)から入居の始まった多摩平団地は団地の先駆け的存在である。
南部には多摩丘陵が広がっていて、ハイキング客などで賑わっていたが、昭和30年代後半から宅地化が進み、関東三大不動のひとつとして知られる高幡山金剛寺(通称:高幡不動尊)の寺域である高幡山周辺や、多摩動物公園周辺など一部を除いて緑が失われている。
[編集] 気候
関東平野の内陸に位置するため都心よりも冬は2~3℃気温が低いが、夏の最高気温は反対に高いこともある。
[編集] 隣接している自治体
[編集] 歴史
- 1605年(慶長10年) 甲州街道が整備され、日野宿定まる。
- 1871年(明治4年) 廃藩置県に伴い日野宿、神奈川県に編入。
- 1878年(明治11年) 多摩郡が分割され日野宿は南多摩郡に属す。初代郡長に日野宿の佐藤俊正(佐藤彦五郎が改名)が任命される。
- 1893年(明治26年) 三多摩が神奈川県から東京府に編入。日野宿を日野町と改称。
- 1901年(明治34年) 日野町、桑田村を合併。
- 1958年(昭和33年) 日野町、七生村を合併。現在の市域となる。
- 1963年(昭和38年) 市制施行(11月3日/全国559番目)
[編集] 市名の由来
- 市名の由来は諸説あるがはっきりしていない。主なものとしては烽火台が置かれたことによるとする「飛火野説」の他「日野宮説」「日野氏説」などがある。これについては武蔵野郷土史刊行会編:多摩の歴史7(1975年)に掲載されている地元の郷土史家・土淵英夫氏の論考を参照されたい。
[編集] 日野宿
- 日野宿(ひのじゅく)は甲州街道の5番目の宿場町であり、日野市の前身である。宿場町として整備されたのは1605年(慶長10年)のことで、八王子宿を整備した大久保長安の手によって開かれている。宿場町は物流の拠点であるとともに軍事的な拠点でもあり、軍勢が一気呵成に攻め込めないよう宿の出入口を直角に曲げて作られていた。その名残りが現在も見られる。東京都道256号八王子国立線を立川方面から進んできて日野駅前東交差点を左折して宝泉寺へ続く道筋が旧甲州街道である。もう一方の口も直角に曲げられていたのだが、今は明確にそれとはわからなくなっている。多摩川の日野の渡しを渡って南下し、右に直角に折れて日野宿に入っていた。日野の渡しは立日橋の下流側にあったとのことなので、今の日野警察署辺りで曲がっていたものと思われる。
- 本陣跡には本陣としては東京都内で唯一遺された当時の建物が建っている。その前の現在駐車場になっている辺りにあった長屋門を改装して佐藤彦五郎が天然理心流の道場を開いた。この向かいに問屋場と高札場があったが、現在は石碑が建つのみである。
[編集] 人口
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日野市と全国の年齢別人口分布図(比較) | 日野市の年齢・男女別人口分布図 |
■暗紫色は日野市 ■緑色は全国 |
■青色は男性 ■赤色は女性 |
総務省統計局 平成17年国勢調査より |
[編集] 行政
- 市長 : 馬場弘融(ばば・ひろみち、任期満了日 : 2009年4月)
- 現在の重点施策は、ゴミ問題などの環境問題。
- 日野市の職員数は、2002年4月1日現在で1,508人である。内訳は、一般行政職が691人、税務職が68人、医師・歯科医師職が26人、栄養士を含む薬剤師医療技術職が58人、看護保健職が172人、福祉職が171人、技能労務職293人、教育職が29人となっている。2000年(平成12年)国勢調査では日野市の人口は167,942人であり、府中市は226,769人であるが職員数は1,408人と日野市よりも少ない。これは日野市が市立病院を運営していることや幼稚園に補助教諭を配置していることなどによるものである。この例からもわかるように、日野市は医療、福祉、教育といった点を重視した行政を行っている。
- 元々、日野市は革新勢力が強い地盤を持ち、かつては20年以上も共産党市政が続いた。前述の福祉国家的政策はその功績である。反面、公務員のラスパイレス指数は全国自治体でも上位であり、公共事業による道路整備・区画整理の遅れも指摘されている。
[編集] 市議会
会派名 | 議席数 | 代表者 |
---|---|---|
自民クラブ | 7 | 梅田俊幸 |
公明党 | 5 | 馬場繁夫 |
日本共産党日野市議団 | 5 | 奥野倫子 |
市民クラブ(民主系) | 5 | 秋山薫 |
無所属 | 3 | (社民1) |
[編集] 組織
- 企画部
- 総務部
- 市民部
- 環境共生部
- まちづくり部
- 健康福祉部
- 子ども部
- 教育部
[編集] 財政
[編集] 課題
平成17年第1回市議会での市長の施政方針によれば、現在の行政課題は以下の4つである。
- 地域の安全の確保
- 医療、健康推進事業の充実
- 子育て支援
- 行財政改革による効率化、サービス向上
このほか、ゴミ問題、区画整理事業の遂行、国道20号日野バイパスの全通などが挙げられる。
[編集] 広域行政
- 東京都十一市競輪事業組合 - 八王子、武蔵野、青梅、昭島、調布、町田、小金井、小平、東村山、国分寺および本市の11市で京王閣競輪を開催している。
- 東京都四市競艇事業組合 - 小平、東村山、国分寺、および本市の4市で多摩川競艇を開催している。
[編集] 国政・都政
[編集] 国政
衆議院小選挙区選挙では、立川・昭島市とともに東京21区に属する。近年選出の議員は以下のとおり。
- 2003年11月(第43回衆議院議員総選挙)
- 2005年9月(第44回衆議院議員総選挙)
[編集] 東京都議会
本市でひとつ選挙区を形成する。定数は2人。近年選出の議員は以下のとおり。
[編集] 公共機関
[編集] 警察
- 警視庁日野警察署 - 管轄地域は市域に等しい。同署は警視庁第9方面本部の隷下にある。
[編集] 消防(東京消防庁)
管轄地域は市域に等しい。同署は第9方面本部の隷下にある。消防は市町村の責任業務であるが、多摩地区のほとんどの市町村は東京消防庁へ消防業務を委託しており、本市もそれに倣っている。
[編集] 郵便
- 日野郵便局 - 集配地域は市域に等しい。郵便番号は191が付与されている。
[編集] 電話
- 市外局番は042(立川MA、かつては0425)である。
- 但し、市外局番に同じ042を使用する地域のうち、かつて0423、0426、0427の各市外局番を使用していた地域とは現在も番号区画が異なるため、これらの地域に電話を掛ける際は市外局番から入力する必要がある。
[編集] 上水道
[編集] 下水道
- 東京都多摩地区の下水は、各市町村で整備した下水道を経由し東京都下水道局が運営する水再生センターで下水処理を行う。
- 本市の下水は、浅川水再生センター(日野市石田)、南多摩水再生センター(稲城市大丸)、八王子水再生センター(八王子市小宮町)で処理されている。
- 下水道普及率は88%(平成15年度末現在)で、多摩地区全体の普及率(95%)よりも低い。
[編集] ゴミ処理
- 日野市クリーンセンター(石田)
[編集] 諸機関・施設
[編集] 経済
[編集] 産業
[編集] 主な産業
- 宅地化の進行により軒数は減少したが、現在も東光寺地区、平山地区に野菜等を栽培する農家が存在する。
- 東京都内では稲城市に次ぐ梨の産地であり、「多摩川梨」の商標で知られている。
- 百草地区では1軒だけだが酪農も営まれている。
- 豊田駅北口(多摩平団地の玄関口)及び高幡不動駅周辺(百草団地の玄関口、高幡不動尊の門前町)に小売店舗が集積しているが、立川駅周辺、八王子駅周辺、聖蹟桜ヶ丘駅周辺等の商業集積地に近く、また都心への交通の便が良いため、百貨店、ショッピングモール等の大規模小売店舗は少ない。
[編集] 産業人口
[編集] 主な企業
- 日野自動車(本社・日野工場)※
- セイコーエプソン(日野事業所)近くにエプソンダイレクトのサポートセンターがある。
- コニカミノルタ(東京サイト日野)※
- 所在地の町名はかつてのブランド「さくら」を採って「さくら町」。
- 富士電機(東京工場)※
- 所在地の町名は「富士町」と、こちらも企業名が付いている。会社分割により富士電機システムズの事業所となった。
- 東芝(日野工場)
- 帝人(中央研究所)
- GE横河メディカルシステム(本社)
- ファナック
- トッパンフォームズ
- メグミルク(日野工場)
- ロッテスノー(日野工場・メグミルク内)
[編集] 自治体交流
日野市の姉妹都市・提携都市は、2004年2月現在レッドランズ市のみである。
[編集] 地域
[編集] 学校教育
[編集] 小学校
- 市立
- 第一小学校
- 第二小学校
- 第三小学校
- 第四小学校
- 第五小学校
- 第六小学校
- 第七小学校
- 第八小学校
- 潤徳小学校
- 平山小学校
- 百草台小学校
- 滝合小学校
- 南平小学校
- 旭が丘小学校
- 平山台小学校
- 東光寺小学校
- 三沢台小学校
- 仲田小学校
- 夢が丘小学校 - 2002年、旧程久保小学校と旧高幡台小学校を統合して誕生。
[編集] 中学校
- 市立
- 第一中学校
- 第二中学校
- 第三中学校
- 第四中学校
- 七生中学校
- 三沢中学校
- 大坂上中学校
- 平山中学校
[編集] 高等学校
[編集] 養護学校
- 都立七生養護学校
[編集] 短期大学
[編集] 専修学校
- 東京トフィ・ファッション専門学校
[編集] 大学
- 首都大学東京(日野キャンパス、旧東京都立科学技術大学)
-
- 東京都立大学など東京都立の4大学が統合され2005年4月に開学した。
[編集] 社会教育
[編集] 図書館
- 日野市立図書館
- 中央図書館
- 高幡図書館
- 日野図書館
- 多摩平図書館
- 平山図書館
- 百草図書館
- 百草台児童図書館
- 市政図書室
- 移動図書館ひまわり号
[編集] 博物館
- 日野市郷土資料館 (旧・日野市立ふるさと博物館)
- 新撰組のふるさと歴史館
[編集] 公民館
- 日野市中央公民館
[編集] 公会堂
- 日野市民会館
- 七生公会堂
[編集] 体育施設
- 市立南平体育館
- 市民陸上競技場
- 市民プール
- 多摩川グラウンド
- 万願寺グラウンド
- 浅川スポーツグラウンド
- 東光寺グラウンド
[編集] 福祉
[編集] 交通
鉄道は、JR中央本線が北から西へ円弧を描くように走り、京王線が市の南部、浅川の右岸と多摩丘陵の間を東西に走り抜け、高幡不動駅から多摩動物公園駅まで支線が延びている。また、多摩都市モノレール線が南北に走り、甲州街道駅付近で中央自動車道と、高幡不動駅で京王線と交差している。
主な道路は、中央自動車道、国道20号が東西に通っている。南北方向には都道の整備が進められている。
- JR中央線、京王線、多摩都市モノレールが市外との主な交通手段となっている。
- 中央自動車道の日野バス停から高速バスを利用することもできる。
- 隣接する市とは路線バスで連絡しているが、昭島市への路線はない。(運行は京王電鉄バスと西東京バス)
- 市内の主要駅間は路線バスで結ばれている。(運行はすべて京王電鉄バス)
- 市立病院などの公共機関への足としてコミュニティバスを運行している。(京王電鉄バスへの委託運行)
[編集] 鉄道路線
- 市内を通る路線と駅
- JR東日本
- 中心となる駅:日野駅・豊田駅・高幡不動駅
- この3駅を中心に市内および市外へのバスの便がある。→路線バス参照
- 隣接市町村への連絡
- 八王子市:
- 多摩市:
- 府中市:
- 国立市:
- JR中央本線(国立駅)
- 立川市:
- 昭島市:
- 都道府県庁への連絡
- JR中央線もしくは京王線で新宿へ。
- 日野駅~新宿駅(特別快速で29分)
- 高幡不動駅~新宿駅(特急で30分)
- 広範囲な連絡
[編集] 道路
市内を通る道路および橋梁は以下の通り。
- 都道府県道
- 主要地方道
- 東京都道20号府中相模原線
- 東京都道41号稲城日野線(川崎街道)
- 一般都道
- 主要地方道
- 橋梁(上流から順)
- 多摩川
- 立日橋(東京都道149号立川日野線/多摩都市モノレール)
- 日野橋(東京都道256号八王子国立線)
- 中央道多摩川橋
- 石田大橋(国道20号日野バイパス)
- 府中四谷橋(東京都道20号府中相模原線)
- 浅川
- 長沼橋
- 滝合橋
- 平山橋(東京都道155号町田平山八王子線)
- 一番橋
- 高幡橋(東京都道41号稲城日野線)
- 万願寺歩道橋(通称「ふれあい橋」)
- 新井橋(東京都道503号相模原立川線/多摩都市モノレール)
- 多摩川
[編集] 路線バス
[編集] 隣接市町村への連絡
- 府中市:
- 日野駅~エプソン前~分倍河原駅(京王電鉄バス)
- 国立市:
- 日野駅~エプソン前~分倍河原駅(京王電鉄バス)
[編集] 市内での運行
- 豊田駅北口発:
- 豊田駅北口~平山工業団地循環~豊田駅北口(京王電鉄バス)
- ミニバス(全て京王電鉄バスが運行)
- 三沢台路線(高幡不動駅~三沢台~聖蹟桜ヶ丘駅)
- 南平路線(高幡不動駅~北野街道口~日野駅・豊田駅北口)
- 市内路線(桜ヶ丘車庫~日野駅~豊田駅北口~平山城址公園駅)
- 日野台路線(日野駅~石川町~豊田駅北口)
- 旭ヶ丘路線(日野駅~豊田駅北口~旭ヶ丘循環~豊田駅北口~日野駅)
- 落川路線(高幡不動駅~落川~聖蹟桜ヶ丘駅)
[編集] 地域放送
[編集] 観光
[編集] 名所・旧跡等
[編集] レジャー施設
[編集] 祭事・イベント
- ひの新選組まつり(年によって異なる。今年は5月9日)
- 新選組フェスタin日野→'外部リンク参照'
[編集] 著名な出身者
[編集] 歴史上の人物
[編集] 芸能
[編集] 放送
[編集] スポーツ
[編集] 諸分野
- 古代祐三 - 主にコンピューターゲームの音楽を手がける作曲家
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 日野市公式サイト
- 新選組フェスタin日野
- 日野市多摩平のタウン情報:「40年前の多摩平」や「学校選択制」についての記述あり。
- 水の郷百選
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