東松山市
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東松山市(ひがしまつやまし)は、埼玉県のほぼ中央に位置する市。県域としては県南西部地域に属する。多くの街道が集まる交通の要衝として、古くは鎌倉時代から松山城の城下町として知られた比企地域の中心都市である。国際ウォーキング大会でアジア最大規模の「日本スリーデーマーチ」が開催される都市として有名。焼き鳥の街であり、2000年に室蘭市が焼き鳥店の数をNTTの電話帳で調べたところ、1位東松山市、2位室蘭市、3位今治市であった。人口は約9万人。
気候は太平洋式気候の影響により冬には秩父おろしが吹く。
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[編集] 市勢
- 面積:65.33km²
- 人口:90,229人(男45,530人、女44,699人)
- 外国人登録者数:1,651人(男855人、女796人)(上記の人口に含まれるものの再掲)
- 世帯数:34,198世帯
- 人口密度:1381.13人/km²
(2006年4月1日現在)
[編集] 地理
- 埼玉県のほぼ中央に位置しているため、埼玉のへそ宣言をしている。
- 埼玉県の東西南北端にある市町村の中心点それぞれを求め、それらをつないだ四角形の対角線の交点が市内唐子地区になることから、第25回日本スリーデーマーチにおいて坂本市長が宣言を行った。
- 「埼(さい)の彩(さい)の臍(さい)は東松山市」をキャッチコピーとして、各種事業を計画するとしている。
- 東武鉄道東上線が南北に縦断している。
- 関越自動車道が南北に縦断している。
- 山:市の南西部や北部は関東平野から秩父山系に至る低い丘陵地帯になっており、物見山を中心とした低標高の山が存在する。
- 河川: 都幾川、越辺川、市野川、九十九川、滑川、月中川、角川、和田吉野川、新江川
- 湖沼: 上沼、下沼、西明寺沼、天皇沼、関根沼、長戸呂沼、大沼、薬師寺沼
[編集] 歴史
- 市制施行以前
現在の東松山市の中心部にあたる地域は市制施行前まで松山町と呼ばれ、元を辿れば1333年に築城されたとされる松山城の城下町として発展した街である。城下町時代は、松山城大手門に至る、鴻巣道沿いの現在の松本町から本町あたりが最も賑やかだったそうである。このあたり松山新宿と呼ばれていた一方、街道筋にあたる本町から材木町のあたりは松山本郷と呼ばれていた。また、現在の本町1丁目交差点は札の辻と呼ばれ高札場が設けられていた。
徳川家康が関東入国すると、松山城に松平家広が入城し松山藩を立藩。近代的な城郭都市に発展する可能性も潜めていたが、家広の跡を継いだ松平忠頼が浜松城に移封となると松山城は廃城となった。廃城後、この地域は最終的に川越藩の藩領となり、城に近い松山新宿は次第に廃れていったとされる。
江戸時代には、徳川幕府によって五街道と脇往還の整備が進められ、東松山市域でも、江戸から高坂を経て上州に至る川越・児玉往還(川越道)と、八王子から高坂・松山を経て日光に至る日光脇往還(日光道)が整備され、松山宿と高坂宿は宿場町として賑わった。
幕末になると、川越藩主である松平直克が、前橋藩に移封となり、比企郡・高麗郡・埼玉郡周辺のおよそ6万石の統治を行うために、1867年に松山陣屋が設置され、武家の移住で人口が2倍近くに増えたとされている。しかし、幕末という事もあってわずか5年足らずで廃藩置県を迎える事になった。
明治時代になると、入間県、熊谷県を経て埼玉県域となり、1923年には東上線が開通。市域には、高坂駅・武州松山駅(現:東松山駅)の2つの駅が設置された。
- 市制施行以降
- 1954年7月1日に比企郡松山町・大岡村・唐子村・高坂村・野本村が合併し、東松山市となる。
- 市名の由来は、地域の中心である松山町から採られたものであるが、松山市の呼称は既に愛媛県松山市が先行して市制施行して使用されていた。しかしこれ以前に、福岡県遠賀郡若松町(現・福岡県北九州市若松区)が同名の福島県若松市(現・福島県会津若松市)がありながら、同一の市名である若松市を申請し認められた例があった。また、1954年3月31日に広島県府中市、同年4月1日に東京都府中市が相次いで成立し同一名の市が誕生していた。
- こうした先行事例をふまえ同名の松山市を市名として申請したが自治省はこれを認めず、愛媛県松山市に対して東の松山市という意味で東松山市とした。この後、自治省により同一の市名は認可しない旨の通知がなされ、東久留米市、東大和市(ともに東京都)など同様の命名法による市名が出来る端緒となった。このような経過もあってか、現在でも市民や周辺部の住民を中心に東松山市を指すときに「松山」と呼ぶことが多い。
- しかし、2006年1月1日、北海道伊達市と同名の福島県伊達市が成立し、現在、この同一市名に関する通知は有名無実化している。
- 高度成長期になると東京のベッドタウンとして人口が増加。高坂ニュータウンや東松山マイタウンに代表されるような住宅団地が次々と造成された。
- 1975年8月8日に関越自動車道 川越IC~東松山IC間が開通し、交通・物流の拠点地点化が進む。
[編集] 行政
- 日本一の福祉都市を目指す。
[編集] 首長
- 初代 田中実(1954年7月1日~1958年8月4日)
- 第2代 中里勇吉(1958年8月5日~1974年8月4日)
- 第3代 芝崎亨(1974年8月5日~1994年8月4日)
- 第4代 坂本祐之輔(1994年8月5日~現職、任期は2010年8月4日まで) 正しくは「祐」は旧体字(示右)
[編集] 行政機構
2006年4月1日現在、職員数は819名(特別職・再任職員含む)。
行政部門10部、48課(室・所等含む)、107グループ・係、市民病院診療部門2部、17科、5係。
[編集] 主な市の施設
- 東松山市役所
- 東松山市総合会館
- 市民活動センター(平野・大岡・唐子・高坂・高坂丘陵の5ヶ所。高坂丘陵以外は公民館併設)
- 公民館(中央・野本の2ヶ所)
- 岩鼻運動公園
- 東松山市環境センター
- きらめき市民大学
- 東松山市クリーンセンター
- 東松山市民病院
- 東松山市民文化センター
- 水道庁舎
- ひがしまつやま市総合福祉エリア
[編集] 国の行政機関
[編集] 県の行政機関
- 東松山地方庁舎
- 東松山県土整備事務所
- 西部地域創造センター東松山支所
- 東松山県税事務所
- 西部環境管理事務所東松山支所
- 東松山農林振興センター
- 西部教育事務所東松山分室
- 埼玉県警察東松山警察署
- 東松山保健所・比企福祉保険総合センター
[編集] 比企広域市町村圏組合の施設
- 東松山斎場
- 比企広域消防本部
- 消防署(東松山・小川の2署)
- 消防分署(松山北・高坂・吉見・滑川(東松山消防署の分署)、嵐山・ときがわ・東秩父(小川消防署の分署)の7分署)
- 消防署(東松山・小川の2署)
[編集] 市町村合併
平成の大合併ブームの中、当初は比企広域市町村圏組合構成全10市町村での合併を構想。2003年に、川島町・鳩山町を除く8市町村で任意の合併協議会が設けられたが、協議が難航し解散。その後、隣接する吉見町と法定合併協議会を設置するも、新市名をはじめとする様々な分野で条件が折り合わず、東松山市議会による離脱決議を受けて解散し、協議は終了する。
2006年、秩父郡東秩父村との飛び地合併について一部報道機関により報じられたこともあったが、東松山市を当事者とする市町村合併に関する協議は、公的な形では行われていない。
- 比企地区8市町村合併
- 東松山市・吉見町合併
[編集] 経済
[編集] 製造業
- ボッシュ(旧ゼクセル+旧自動車機器+旧ボッシュKK) 東松山第一工場、東松山第二工場、若松工場
- ヱスビー食品 東松山工場
- すかいらーく 東松山工場
- ブリヂストンフローラック 東松山工場
- オーネックス 東松山工場
- 大倉工業 埼玉工場・東松山製版工場
- ジオスター 東松山工場
- 大口製本印刷 東松山工場
- 大内製作所 本社
- マサル工業 東松山工場
- 吉野プレス工場
- 東松山工業団地
[編集] 物流拠点
[編集] デパート・大型店
[編集] スーパー
[編集] ショッピングモール
- シルピア
[編集] 大型電気店
[編集] ホームセンター
- ビバホーム 東松山店
- ケーヨーD2 東松山店
- ロイヤルホームセンター 東松山店
- ホームピック
[編集] ホテル・旅館
- ホテル紫雲閣
- 東松山第一ホテル
- シティホテル東松山
- 松山館
- かぢや旅館
- 上沼旅館
[編集] 映画館
- 東松山シアターマリオン(閉館) - 旧松山映画劇場
[編集] 金融機関
[編集] その他
- 古くから商業地として栄えた土地で、スーパーマーケット「マミーマート」は当地で創業した八百清が発祥である。
[編集] 姉妹都市・提携都市
[編集] 地域
[編集] 町域
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[編集] 健康
- 平均年齢:41.8歳(男40.8歳、女42.8歳)(2006年4月1日現在)
[編集] 教育
[編集] 小学校
- 東松山市立市の川小学校
- 東松山市立大岡小学校
- 東松山市立青鳥小学校
- 東松山市立唐子小学校
- 東松山市立桜山小学校
- 東松山市立新宿小学校
- 東松山市立新明小学校
- 東松山市立高坂小学校
- 東松山市立野本小学校
- 東松山市立松山第一小学校
- 東松山市立松山第二小学校
[編集] 中学校
- 東松山市立松山中学校
- 東松山市立北中学校
- 東松山市立東中学校
- 東松山市立南中学校
- 東松山市立白山中学校
[編集] 高等学校
- 埼玉県立松山高等学校(全日制)
- 埼玉県立松山高等学校(定時制)
- 埼玉県立松山女子高等学校
- 東京農業大学第三高等学校
[編集] 養護学校
[編集] 専修学校
- 埼玉県立東松山高等技術専門校(2004年4月1日閉校。川越高等技術専門校に統合)
[編集] 大学
[編集] 図書館
市内には2つの図書館、1つの図書分室がある。移動図書館(まつかぜ号)もある。
比企広域市町村圏域内公共図書館の相互利用協定により、嵐山町、滑川町、小川町、都幾川村、川島町、吉見町、鳩山町、秩父郡東秩父村に住まい・通学通勤している者なら利用可能。
2005年(平成17年)8月2日から坂戸市立図書館との相互利用が開始された。
- 図書館
- 東松山図書館
- 高坂図書館
- なしの花分室
[編集] 隣接している自治体
東松山市は県西部経済圏に組み込まれており、比企郡の各自治体や、同じ東上線沿線の坂戸市や川越市などと生活圏の結びつきが強いが、逆に熊谷市など県北地域とは鉄道網で結ばれていないこともあり隣接していながら結びつきが弱い。
[編集] 交通
- 自動車のご当地ナンバーである「川越」ナンバーのエリア化実現に取り組んでいる。
ただし、国土交通省は、現在のエリアを越境する形での新ナンバーには、基本的に消極的である。 川越は「所沢」ナンバーであり、「川越」ナンバーは「所沢」ナンバーのエリアから分離独立する形となるため、もともと「熊谷」ナンバーである東松山市は、「川越」ナンバーのエリアには含まれていないが、市のアンケートでは市民の8割が「熊谷」ナンバーより「川越」ナンバーを希望しており、東松山市をはじめとした比企市町村圏組合は、現在も国土交通省に働きかけている。なお、静岡県と山梨県をまたぐ「富士山ナンバー」の導入が認められることになったことを踏まえ、さらに働きかけは強くなると思われる。
[編集] 鉄道路線
- 中心となる駅:東松山駅
東松山駅前は商業都市、高坂駅前は学生街となっており、2つの駅で性格が異なる。
[編集] バス路線
- 川越観光バス(森林公園営業所)
- 東松山市内循環バス(東松山市が川越観光バスに運行を委託)
- 大谷コース
- 市民病院先回り 東松山駅東口 - 市民病院 - 大岡市民活動センター - 東松山ぼたん園 - 東松山駅
- 東松山ぼたん園先回り 東松山駅東口 - 東松山ぼたん園 - 大岡市民活動センター - 市民病院 - 東松山駅
- 唐子コース
- 東松山駅東口 - 南中学校 - 唐子市民活動センター - 市民健康増進センター - 高坂駅西口
- 高坂駅西口 - 市民健康増進センター - 唐子市民活動センター - 南中学校 - 東松山駅
- 野本・高坂コース
- 東松山駅東口 - 野本公民館 - 高坂駅東口 - 高坂市民活動センター - 高坂駅西口
- 高坂駅西口 - 高坂市民活動センター - 高坂駅東口 - 野本公民館 - 東松山駅東口
- 大谷コース
(バスの愛称はなしバス、コアラバス、チューリップバス)
[編集] 道路
- 高速道路
- 県道
- 主要地方道
- 一般県道
[編集] 名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
[編集] 名所
- こども動物自然公園
- 埼玉県平和資料館
- 物見山
- 岩鼻運動公園
- 原爆の図丸木美術館
- 高坂駅西口彫刻通り
- 箭弓稲荷神社(ぼたんの名所)
- 東松山ぼたん園
- 岩殿観音(板東十番札所)
- 鳴かずの池
- 等覚院木造阿弥陀如来坐像
- 光福寺宝篋印塔
- 松山陣屋跡
- 大谷瓦窯跡
- 青鳥城
- 市民の森
- 上岡観音
[編集] ゴルフ場
- 高坂カントリークラブ(埼玉県内でも名門のゴルフ場)
- 東松山カントリークラブ
- 川越カントリークラブ
- 武蔵松山カントリークラブ
- 清澄ゴルフ倶楽部
[編集] 名物
[編集] 祭事・催事
- 千年谷コンサート(母の日に千年谷公園で行われる野外コンサート会)
- 東松山夏まつり(毎年7月25日前後の土日に、東松山駅周辺で開催。別名「お天王さま」)
- 日本スリーデーマーチ(毎年11月文化の日前後に3日間の会期で行われるウォーキング大会)
- 高校駅伝埼玉県予選会(11月)
- 東松山サンバカーニバル(7月最終または8月最初の土曜日)
[編集] 出身有名人
- 加賀爪直澄(乱暴旗本の旗本奴)
- 山口敏夫 (元衆議院議員・労働大臣)
- だいたひかる(お笑いタレント)
- 小久保知之進(テレビ朝日アナウンサー)
- 中澤志月(静岡放送アナウンサー)
- 関口操 (デコトラペイントの大手、関口工芸社長)
- 小峯隆幸 (サッカー選手)
- 青葉幸洋 (サッカー選手)
[編集] その他
- 小説「天の園」の舞台。(唐子地区)
- 東松山ケーブルテレビ
- 愛知県豊橋市と愛知県瀬戸市に、それぞれ「東松山町」という町名が存在する。いずれも、東松山市とは無関係。
[編集] 外部リンク
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- 埼玉県の自治体等
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さいたま市: 西区 | 北区 | 大宮区 | 見沼区 | 中央区 | 桜区 | 浦和区 | 南区 | 緑区 | 岩槻区 その他市部: 川越市 | 熊谷市 | 川口市 | 行田市 | 秩父市 | 所沢市 | 飯能市 | 加須市 | 本庄市 | 東松山市 | 春日部市 | 狭山市 | 羽生市 | 鴻巣市 | 深谷市 | 上尾市 | 草加市 | 越谷市 | 蕨市 | 戸田市 | 入間市 | 鳩ヶ谷市 | 朝霞市 | 志木市 | 和光市 | 新座市 | 桶川市 | 久喜市 | 北本市 | 八潮市 | 富士見市 | 三郷市 | 蓮田市 | 坂戸市 | 幸手市 | 鶴ヶ島市 | 日高市 | 吉川市 | ふじみ野市 北足立郡: 伊奈町 入間郡: 三芳町 | 毛呂山町 | 越生町 比企郡: 滑川町 | 嵐山町 | 小川町 | 川島町 | 吉見町 | 鳩山町 | ときがわ町 秩父郡: 横瀬町 | 皆野町 | 長瀞町 | 小鹿野町 | 東秩父村 児玉郡: 美里町 | 神川町 | 上里町 大里郡: 寄居町 北埼玉郡: 騎西町 | 北川辺町 | 大利根町 南埼玉郡: 宮代町 | 白岡町 | 菖蒲町 北葛飾郡: 栗橋町 | 鷲宮町 | 杉戸町 | 松伏町
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