江ノ島電鉄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
種類 | 株式会社 |
市場情報 | 非上場 |
略称 | 江ノ電 |
本社所在地 | 251-0035 神奈川県藤沢市片瀬海岸一丁目4番7号 |
電話番号 | 0466-24-2713 |
設立 | 1926年(大正15年)7月10日 |
業種 | 陸運業 |
事業内容 | 鉄道による一般運輸事業、観光業、土地建物の仲介及び賃貸事業 |
代表者 | 代表取締役社長 森山寿雄 |
資本金 | 3億円 |
従業員数 | 452人(2006年3月31日現在) |
決算期 | 毎年3月31日 |
主要株主 | 小田急電鉄 |
主要子会社 | 江ノ電設備管理株式会社・江ノ電商事株式会社・江ノ電バス株式会社 |
外部リンク | http://www.enoden.co.jp/ |
江ノ島電鉄株式会社(えのしまでんてつ)は、神奈川県に鉄道路線(江ノ島電鉄線)を有する小田急グループの鉄道会社である。本社所在地は神奈川県藤沢市片瀬海岸1丁目4番7号。江ノ電(えのでん)と略称される。旧社名は江ノ島鎌倉観光株式会社。以前は株式を公開していたが、現在は非上場企業である。
鉄道事業のほか、路線バス事業(江ノ電バス)、不動産業、旅行業も行う。かつては子会社によって百貨店業も営み、藤沢駅に「江ノ電百貨店」もあったが、1985年からは小田急百貨店藤沢店になっている。
沿線に観光名所や名勝が多数存在し、さらに車両が特徴的で被写体になりやすい所から、テレビドラマやグラビア写真の撮影に利用されることも多い(著作への出演については後述)。
正式名称の「江ノ島電鉄」で呼ばれることは、小田急線・JR東海道線の乗り換え放送で「江ノ島電鉄線」と案内される以外にはほとんどなく、専ら「江ノ電」と親しまれている。
目次 |
[編集] 歴史
- 1900年11月25日 江之島電気鉄道株式会社設立(現在とは別法人)。
- 1902年9月1日 藤沢~片瀬(現・江ノ島)間を開業(開業時は軌道法に基づく路面電車)。
- 1903年6月20日 片瀬~行合(現・七里ヶ浜)間開業。
- 1903年7月17日 行合~追揚(現在廃止)間開業。
- 1904年4月1日 追揚~極楽寺間開業。
- 1907年8月16日 極楽寺~大町(現在廃止)間開業。
- 1910年11月14日 大町~小町(現・鎌倉)間開業。
- 1911年10月3日 横浜電気株式会社という電力会社に買収され、「横浜電気株式会社江之島電気鉄道部」の運営となる。
- 1921年5月1日 横浜電気が東京電燈株式会社(現在の東京電力)に買収され、同線の運営も引き継ぐ。
- 1928年7月1日 江ノ島電気鉄道株式会社(現・法人)が東京電燈の路線を譲り受け、同社の路線となる。
- 1938年10月20日 東京横浜電鉄(現在の東京急行電鉄)の傘下に入る。
- 1945年11月27日 地方鉄道法に基づく鉄道に変更。
- 1947年3月15日 東急持ち株の大部分が放出され、東急グループを離脱。
- 1949年3月1日 小町駅を国鉄(当時)鎌倉駅構内に移転し、鎌倉駅への乗り入れを開始。小町駅については鎌倉駅に改名。
- 1949年8月1日 江ノ島鎌倉観光株式会社に商号(社名)を変更。
- 1951年3月25日 江ノ島園開園。江の島展望灯台(初代、平和塔)竣工。
- 1953年8月1日 小田急電鉄の関連会社となる。
- 1959年7月23日 江ノ島エスカー営業開始。
- 1971年6月21日 従来行っていた続行運転を廃止し、4両編成での運転を開始。
- この頃、モータリゼーションの影響で利用者が低迷し、廃線を検討し始めるようになる。
- 1974年6月7日 藤沢~石上間高架線化。藤沢駅は江ノ電百貨店(現小田急百貨店藤沢店)2階に移転。
- 1976年10月17日 江ノ電が見直されるきっかけになったテレビドラマ「俺たちの朝」が日本テレビ系にて放映開始。また、翌1977年10月24日に放映されたNHK「新日本紀行」で江ノ電を扱った「湘南・電車通り」は2回再放送される程の大反響を呼んだ。
- 1981年9月1日 江ノ島電鉄株式会社に商号(社名)を変更。
- 1998年11月11日 拡張型心筋症を患っていた当時16歳の少年が極楽寺駅近くの極楽寺検車区内で106形108号電車を運転。これはボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ・オブ・シャパン」を通じて実現したが、少年は3日後の14日に亡くなった。また、この出来事は2005年8月27日にこの出来事をドラマ化した『小さな運転士 最後の夢』が日本テレビ24時間テレビ「愛は地球を救う」28の中で放送され、放送後一時的に江ノ電利用者が増加するまでに反響を呼んだ。それ以外でも何度かメディアで取り上げられている(映画や「奇跡体験!アンビリバボー」(フジテレビ系)など)。
- 2002年10月15日 創業100周年を記念して、サザンオールスターズの『鎌倉物語』と原由子の『あじさいのうた』の歌碑が江ノ島駅や長谷駅など6駅で12月29日まで展示された。また同時期に藤沢駅と鎌倉駅の発車メロディが『鎌倉物語』になる。→これに関する詳細
- 2003年4月28日 江の島展望灯台竣工(旧展望灯台を建て替え)
- 2007年3月18日 鉄道線と路線バスでのPASMO使用開始。
[編集] 路面電車か鉄道か?
開業時、江ノ電は軌道法に基づく路面電車であった。その後、終戦直前の1944年に鉄道に変更された。しかし、極めて小さい車両限界や併用軌道区間があることより、現在でも路面電車として江ノ電が取り上げられることが多い。
[編集] 鉄道事業
[編集] 路線
- 江ノ島電鉄線(正式な路線名はない):鎌倉駅 ~ 藤沢駅 10.0km 駅数15
[編集] 車両
現存する車両はすべて2両編成で、4両運転時には2編成をつなげる。
[編集] 過去の車両
[編集] 江ノ電バス
同社の路線バスは横浜市戸塚区・港南区・栄区・磯子区、鎌倉市、藤沢市南部を中心に路線網を広げ、また横浜駅まで到達する路線もある。
なお、江ノ電バスは同社の路線バスの通称であるが、藤沢営業所が分社化された時、江ノ電バス株式会社が設立され、路線バスの一部を運行委託している。
[編集] 沿革
- 1931年7月11日 競合関係にあった鎌倉江ノ島乗合自動車商会(1929年6月2日開業)より江ノ島~鎌倉間の営業権を譲り受け、10月10日から営業再開。オレンジバスの愛称で呼ばれる(これより先、1927年から1929年まで辻堂地区で乗合自動車業を行っていたが、廃業していた)。
- 1934年9月1日 藤沢自動車より片瀬~藤沢間譲受。
- 1935年5月26日 岩崎清一及び平田忠心より茅ヶ崎市内及び平塚市内の路線を譲受。
- 1941年12月15日 同じ東京横浜電鉄系の東海道乗合自動車に上記の路線を譲渡。
- 1944年11月28日 神奈川中央乗合自動車(東海道乗合自動車が改称)に残るすべての路線を譲渡し、路線バス事業から撤退。
- 1949年6月20日 神奈川中央乗合自動車(現・神奈川中央交通)から路線を譲受し、路線バス事業を再開。
- 藤沢駅~七里ヶ浜~鎌倉駅間、藤沢駅~本鵠沼駅~辻堂駅間(旧来の江ノ電路線)
- 藤沢駅~深沢~鎌倉駅間、鎌倉駅~大船~日野~弘明寺間、大船駅~飯島~戸塚駅裏口間
結果として茅ヶ崎・平塚市内線を神奈中へ譲る代わりに横浜市内進出への足掛かりを掴む事となる。
- 1998年8月12日 江ノ電バス株式会社設立。藤沢営業所の運行を委託。
- 2002年7月 手広営業所の路線を江ノ電バス株式会社に運行を委託。
[編集] 営業所
- 藤沢営業所 最寄りバス停:鵠沼車庫前 所在地:藤沢市鵠沼海岸
- 鎌倉営業所 最寄りバス停:平島 所在地:鎌倉市岩瀬(旧大船営業所)
- 横浜営業所 最寄りバス停:関ノ上 所在地:横浜市港南区上大岡西
- 手広営業所 最寄りバス停:手広車庫 所在地:鎌倉市笛田
- 江ノ電バス(株)藤沢営業所 藤沢営業所と同じ
[編集] 路線バス
主なターミナル駅…辻堂駅・藤沢駅・大船駅・戸塚駅・鎌倉駅・上大岡駅・横浜駅
[編集] 高速バス路線
[編集] 車両
一般路線用は日産ディーゼル製と三菱ふそう製、高速・観光バスは三菱製が中心である。
戦後のバス事業再開時は様々なメーカーの車両を採用されていたが、1960年代に民生ディーゼルのRRバスを高く評価したことから日産ディーゼル製の比重が高くなり、1970年代までに藤沢・横浜両営業所には日産車、鎌倉営業所には三菱車が集中配備される図式が成立する。そのため、いすゞ自動車のお膝元でありながら、いすゞ車は時折リリーフ的に数台程度が購入されるにすぎない。また、日野とは原則的には取り引きがなく、一部のミニバス路線用に近年リエッセ(1台のみレインボーもあり)が導入されたにすぎない。
また、特徴的な車両や珍しい車両を導入することでも知られている。ボディは長らく富士重工製を愛用し、1994年まで鎌倉配備の三菱製も富士重工で架装していたのが大きな特徴である。鎌倉営業所配属車は明治学院大学の存在や高台にある団地路線が多いことから比較的乗客が多く、伝統的にホイルベース6mクラスの長尺車が導入されてきたため、三菱の長尺シャーシ+富士重工の車体という、極めて珍しい組合せの車両を保有することでも知られる。また、これとは別に、2007年には、ノンステップバスの増加によって全国的に減少傾向にあった長尺の4枚折戸車が投入されている。それとは逆に、藤沢地区は平坦な地形ゆえに自転車やバイクの普及率が高く、加えて鎌倉・江ノ島といった観光地を有するも道路事情が悪く道路渋滞が激しいことから、近年の乗客減少が著しい。そのために近年は9m大型車の採用例としては珍しい日産ディーゼル・RPや日産ディーゼル・RNが導入されている。また、100周年記念塗装車が数台在籍している。
小型車は、一部を除き「こまわりくん」の愛称が付けられている。
高速・貸切観光・定期観光用は、日産ディーゼル製と三菱ふそう製が導入されている。
特定車は、学校送迎用のいすゞ車(キュービック)やマンション送迎用の日産シビリアンなどが所属している。
[編集] その他
- 横浜市出身のフォークデュオ・ゆずが1999年にリリースしたシングル「サヨナラバス」のジャケットには、当社のバスが用いられた。
- 藤沢市の三共自動車学校は、元は江ノ電が設置した江ノ電自動車学校である[1]。
[編集] 江の島展望灯台・江の島エスカー
江ノ島電鉄が経営する、江の島の島内にある展望灯台及び上りのみの屋外エスカレーターである。
展望灯台は高さ59.8mで、2003年に旧灯台を建て替えたものである。第48回神奈川建築コンクールにおいて一般建築部門奨励賞受賞を受賞した。中にはカフェショップ、グッズショップ、藤沢市郷土資料館がある。毎日、日没後にライトアップが行われている。周辺はサムエル・コッキング苑となっている。
エスカーは、1959年に開業した日本国内初のもので、高低差46mを4連で結ぶ。全長は106m。1連目と2連目が「1区」、3連目が「2区」、4連目が「3区」と呼ばれ、2区もしくは3区からの利用も可能である。また、1区出口と2区入口は少し離れており、辺津宮に立ち寄ることも可能である。所要時間は4分(看板には5分とある)。有料。知らない人にはロープウェイか何かのように誤解されることも多く、エスカーを乗り場へのエスカレーターだと思い込んでしまう者も多い。なお、エスカーを利用せず参道を登ることも可能である。
[編集] 関連商品
[編集] 江ノ電が登場する作品
親しみの持てる鉄道として有名なためか、映像作品などへの特化した出演はかなり多い。なお、映画とドラマ、漫画とアニメなど、複数の類似メディアに登場した場合、現版では公開時期が早いメディアのみに振り分けている。
[編集] 映画
[編集] ドラマ
- ウルトラマンティガ(46話が江ノ電メインの話)
- 俺たちの朝
- 海岸物語
- 季節はずれの海岸物語
- 大好き!五つ子Go!Go!(オープニング映像)
- 小さな運転士 最後の夢(前述の拡張型心筋症の子供を巡る江ノ電の話)
[編集] 漫画
[編集] アニメ
- うた∽かた
- エルフェンリート
- コメットさん
- スクールランブル(最終回のエンディングムービーで江ノ電を模した車両が登場した)
- ふたりはプリキュア Splash Star(江ノ電を模した車両、駅が登場する)
- 満月をさがして(アニメ版は舞台が鎌倉周辺で、江ノ電の沿線である)
- まかせてイルか!
- 天空のエスカフローネ
- 出ましたっ!パワパフガールズZ(エンディングで江ノ電を模した車両、風景が登場する)
[編集] ゲーム
- Memories Offシリーズ(一部の作品に江ノ電を模した車両が登場する)
- ホワイトブレス
- あるぺじお ~きみいろのメロディ~
[編集] その他
- 絵本「うみのでんしゃ ぼくらの江ノ電」(小峰書店)ISBN 4338006129
- 絵本「はしれ江ノ電 ひかりのなかへ」(PHP研究所)ISBN 4569681980(前述の拡張型心筋症の子供を巡る江ノ電の話)
- 児童書「でんしゃにのったかみひこうき」(あかね書房)(絶版)
- CDシングル「ステーション」(鳥羽一郎、パッケージが鎌倉高校前駅をロケーションとしている)
[編集] 外部リンク
- 江ノ島電鉄(公式ページ)
- 竹バス資料館(ファンページ)
- A Ticket to Wander(ファンページ)
発行事業者 | 東急バス・京王電鉄バス・西東京バス・関東バス・西武バス・国際興業・小田急バス・立川バス・京浜急行バス・東武バス・神奈川中央交通・相模鉄道・川崎鶴見臨港バス・江ノ島電鉄・箱根登山鉄道・京成バス・船橋新京成バス・富士急湘南バス・千葉中央バス・千葉海浜交通・千葉内陸バス・ちばレインボーバス・東京ベイシティ交通 |
---|---|
発売事業者 | 東急トランセ・京王バス東・京王バス中央・京王バス南・京王バス小金井・多摩バス・ケイビーバス・西武自動車・西武観光バス・小田急シティバス・羽田京急バス・横浜京急バス・湘南京急バス・ちばシティバス・京成タウンバス・ちばフラワーバス・ちばグリーンバス・市川交通自動車(市川ラインバス)・京成トランジットバス・東武バスウエスト・東武バスイースト・朝日自動車・茨城急行自動車・川越観光自動車・国際十王交通・湘南神奈交バス・津久井神奈交バス・横浜神奈交バス・相模神奈交バス・藤沢神奈交バス・相鉄バス・臨港グリーンバス・江ノ電バス・箱根登山バス・習志野新京成バス・松戸新京成バス |
発行事業者(公営) | 東京都交通局・川崎市交通局・横浜市交通局 |
大手私鉄 | 東京急行電鉄・小田急電鉄・京王電鉄・京成電鉄・京浜急行電鉄・相模鉄道・西武鉄道・東武鉄道・東京地下鉄 |
---|---|
中小私鉄・第三セクター等 | 新京成電鉄・北総鉄道・箱根登山鉄道・埼玉高速鉄道・東葉高速鉄道・横浜高速鉄道・首都圏新都市鉄道・伊豆箱根鉄道・関東鉄道・江ノ島電鉄 |
公営事業者 | 東京都交通局・川崎市交通局・横浜市交通局 |
モノレール・新交通システム | 多摩都市モノレール・ゆりかもめ・千葉都市モノレール・横浜新都市交通・舞浜リゾートライン |
バス(発行事業者のみ) | 伊豆箱根バス・神奈川中央交通・関東バス・京浜急行バス・西武バス・東急バス・西東京バス・富士急行・山梨交通・江ノ島電鉄・京王電鉄バス・国際興業・箱根登山バス・船橋新京成バス・小田急バス・立川バス・川崎鶴見臨港バス・京成バス・相模鉄道・千葉交通・東武バスセントラル・日立自動車交通・平和交通 |
相互利用 | JR東日本他(Suica) |
カテゴリ: バス関連のスタブ記事 | 日本の鉄道事業者 | 神奈川県の企業 | 江ノ島電鉄 | 関東地方の乗合バス事業者 | 路面電車事業者 | 小田急グループ