第16回全国中等学校優勝野球大会
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出場校 | 22校 |
参加校数 | 541校 |
優勝 | 広島県立広島商業学校(3回目) 2連覇 |
試合数 | 21試合 |
本塁打数 | 3本 |
第16回全国中等学校優勝野球大会は1930年(昭和5年)8月13日から20日の間、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われた全国中等学校優勝野球大会である。
広島商が和歌山中に続き2校目の大会連覇を達成した。
目次 |
[編集] 出場校
- 北海道
- 北海中(3年連続7度目)
- 奥羽(青森、山形、秋田)
- 八戸中(青森、2年ぶり3度目)
- 東北(岩手、宮城、福島)
- 東北中(宮城、初出場)
- 北関東(栃木、群馬、埼玉)
- 桐生中(群馬、3年ぶり2度目)
- 南関東(茨城、千葉)
- 水戸中(茨城、2年連続2度目)
- 東京
- 慶応普通部(9年ぶり7度目)
- 甲信越(山梨、長野、新潟)
- 諏訪蚕糸(長野、2年連続2度目)
- 北陸(富山、石川、福井)
- 敦賀商(福井、6年連続6度目)
- 神静(神奈川、静岡)
- 静岡中(静岡、2年連続6度目)
- 東海(愛知、岐阜、三重)
- 愛知商(愛知、2年ぶり4度目)
- 京津(滋賀、京都)
- 平安中(京都、4年ぶり4度目)
- 大阪
- 浪華商(4年ぶり2度目)
- 兵庫
- 甲陽中(2年ぶり3度目)
- 紀和(奈良、和歌山)
- 和歌山中(和歌山、2年ぶり15度目)
- 山陰(鳥取、島根)
- 米子中(鳥取、5年ぶり2度目)
- 山陽(岡山、広島、山口)
- 広島商(広島、2年連続7度目)
- 四国
- 松山商(愛媛、6年ぶり7度目)
- 北九州(福岡、佐賀、長崎)
- 小倉工(福岡、初出場)
- 南九州(熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄)※大分県が南九州大会へ移動した。
- 鹿児島二中(鹿児島、初出場)
- 朝鮮
- 大邱商(初出場)
- 満州
- 大連商(2年ぶり8度目)
- 台湾
- 台北一中(2年連続3度目)
[編集] 試合結果
[編集] 1回戦
- 松山商 8 - 1 甲陽中
- 小倉工 4 - 2 鹿児島二中
- 大邱商 4 - 0 米子中
- 敦賀商 4x - 3 慶応普通(延長13回)
- 和歌山中 24 - 2 北海中
- 広島商 14 - 4 浪華商
[編集] 2回戦
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[編集] 準々決勝
- 平安中 15 - 0 東北中
- 和歌山中 4 - 3 静岡中
- 広島商 3 - 1 大連商
- 諏訪蚕糸 4 - 2 松山商
[編集] 準決勝
- 諏訪蚕糸 3 - 0 平安中
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
諏訪蚕糸 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 |
平安中 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
- 広島商 4 - 1 和歌山中
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
広島商 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 |
和歌山中 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
[編集] 決勝
- 広島商 8 - 2 諏訪蚕糸
(広島商)灰山-土手 (諏訪蚕糸)中村三-伊藤
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |
広島商 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 8 |
諏訪蚕糸 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 |
広島商は3回表に5番杉田の二塁打で2点先制、灰山が好投して広島商優勢のまま終盤に入った。8回裏、諏訪蚕糸は失策出塁から長短打で同点に追いついた。しかし、諏訪蚕糸には悪夢が待っていた。9回表、広島商が一死一、三塁の好機を迎え、諏訪蚕糸バッテリーは当然スクイズを警戒して高めのボール球で様子を見た。ところがこれが補逸となって追加点を奪われ、さらに野選、四球、失策と信じられないほどミスが続く。結局打者一巡の上適時打が出て広島商に決定的な6点が入った。
[編集] 魔の8回
今大会の特徴は、8回での逆転劇が多かったことである。「魔の8回」と呼ばれた。
- 小倉工-鹿児島二中・・・小倉工が1-2で迎えた8回表に3点を入れて逆転。4-2で勝った。
- 大連商-台北一中・・・大連商が0-4で迎えた8回裏に6点を入れて逆転。6-4で勝った。
- 東北中-水戸中・・・東北中が1-2で迎えた8回裏に2点を入れて逆転。3-2で勝った。
- 諏訪蚕糸-松山商・・・諏訪蚕糸が1-2で迎えた8回裏に3点を入れて逆転。4-2で勝った。
決勝戦も8回裏に諏訪蚕糸が反撃し、魔の8回かと思わせた。
[編集] 主な出場選手
- 中村三郎(諏訪蚕糸-明治大-大東京軍(ライオン)-名古屋軍)
- 三浦敏一(諏訪蚕糸-日本大-名古屋軍)
- 小林利蔵(敦賀商-明治大-東京鉄道管理局-名古屋金鯱軍)
- 宇佐美一夫(静岡中-横浜高商-満州倶楽部-国鉄)
- 伊藤次郎(平安中-法政大-東京セネタース)
- 内海五十雄(平安中-法政大-巨人)
- 岡村俊昭(平安中-日本大-南海)
- 納家米吉(浪華商-法政大-南海)
- 北浦三男(浪華商-関西大-東京セネタース(西鉄))
- 中村金次(浪華商-関西大-南海)
- 渡辺敏夫(甲陽中-法政大-阪急)
- 山下好一(和歌山中-慶應大-大日本製糖-阪急)
- 島本義文(和歌山中-横浜高工-阪急)
- 田川弘(和歌山中-東京鉄道局-大東京軍)
- 灰山元治(広島商-慶應大-田村駒商店-太陽レーヨン-ライオン(朝日))
- 三森秀夫(松山商-法政大-巨人)
- 高須清(松山商-早稲田大-大日本麦酒-イーグルス-パシフィック)
- 寺内一隆(松山商-立教大-日本コロムビア-イーグルス(黒鷲軍、大和軍))
- 新富卯三郎(小倉工-門司鉄道管理局-阪急)
[編集] 関連項目
高校野球 | ||
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1924 |
1915 | 1916 | 1917 | (1918)中止 | 1919 |
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